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熱帯綺羅

2010年10月18日

「光の祭典」ディーパバリを彩るThe Deepavali Street Light Up

毎年10月頃になると、リトルインディアの中心部に見事な光のアーチが登場します。インドでも最大級のお祭り「ディーパバリ(Deepavali)」を祝うストリート・ライトアップです。インドの神様や花、動物などをあしらったカラフルで華やかな光のアーチの列は、セラングーン・ロードをブキティマ・ロードと交差する地点から北上し、ラベンダー・ストリートと交差する地点までの約2kmにも及びます。

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アーチ中央に描かれているのが豊穣と幸運を司る女神ラクシュミ。4本の腕を持ち、蓮の花の上に座って左側の腕に壷を抱え、右側の手からは金貨があふれている。縁起が良いとされる象が一緒に描かれることが多い。

シンガポールでは、カンポン・グラムとゲイラン・セライで「ハリラヤプアサ」、チャイナタウンで「中秋節」、オーチャード・ロードおよびその周辺で「クリスマス」、そしてこの「ディーパバリ」をテーマとした4つのライトアップが毎年実施され、国内だけでなく海外からの観光客にも人気があります。シンガポールでは、マレー語、中国語、英語、タミール語と4つの公用語があり、それぞれの言語を母語とする民族の大多数が信仰する宗教行事や伝統行事にあわせて国の祝日が設定されていますが、ライトアップもその4つのカテゴリに対応しているといえます。多民族国家として民族間の融和を図っているシンガポールの取り組みがここにも現れているようです。

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10月7日夜には、ゴー・チョクトン上級相を迎えて点灯セレモニーが行われた。

 

インド最大のお祭り「ディーパバリ」

「ディーパバリ」はサンスクリット語で、「ディーパ(deepa)」は光、「アバリ(avali)」は列の意味。ヒンディー語が広く使われているインド北部では短くした「ディワリ(Diwali)」が一般的で、タミール語などが使われているインド南部では現在も「ディーパバリ」だそうです。起源には諸説ありますが、元々は秋の収穫や、冬作物の種まきを始めることを祝うお祭りだったようです。現在、インドの各地域でも祝い方や祀る神様に違いがありますが、一番多いのはインドの二大抒情詩のひとつ「ラーマーヤナ」に由来するもの。

物語の主人公であるラーマ王子は、継母の謀略による父の言いつけで、妻シータや弟と共に国外のジャングルに追放されてしまいます。ある時、シータの美しさに目をつけた悪魔達に妻を誘拐され、ラーマ王子は妻を取り戻すために弟や猿の神様と共に悪魔達と戦い、見事に勝利しました。その後14年ぶりに国に戻ったラーマ王子を、人々が火を煌々と灯して出迎えたことから、キャンドルやオイルランプで光の列を作って祝うようになりました。また、ラーマ王子の勝利を祝福するためにたくさんの神々が集まるとされ、その中に豊穣と幸運を司る女神ラクシュミがいることから、ラクシュミ神が自分の家にも立ち寄ってくれるようにと人々は家の前に明かりを灯して菓子を供えます。

ちなみに、ラーマ王子はヒンドゥー教3大最高神のひとりヴィシュヌ神の10あるアヴァターラ(権現)のひとつとされ、その妻がラクシュミ神。つまり、シータもラクシュミ神のアヴァターラです。仏教でいう吉祥天とされます。

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