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熱帯綺羅

2011年3月7日

街の隣に広がる緑の中を気ままに散策「The Southern Ridges」

ヘンダーソン・ウェーブの先は、テロック・ブランガー・ヒル・パーク(Telok Blangah Hill Park)。公園内を抜ける約1キロメートルのなだらかな道、ヒルトップ・ウォーク(Hilltop Walk)を進んでいきます。道の両脇に広がる緑の木立を眺めながら歩いていると、やがて見えてくるのは、自然の緑の中ではちょっと異質にも映る直線的で無機質なスチールの歩道、フォレスト・ウォーク(Forest Walk)。熱帯の緑濃い樹木の間を縫うように幾重にも折れ曲がっています。地上からはかなりの高さがあり、すぐそばの木の上にサルやリスがいたり、野鳥が羽を休めている姿を見かけることも。彼らが普段過ごしている樹上の世界にちょっとだけ近づけた気分です。

フォレスト・ウォークの先はアレクサンドラ・アーチ(Alexandra Arch)。アレクサンドラ・ロードにかかる、太い斜めの橋脚とそこから突き出た巨大アーチが個性的なデザインの陸橋です。フォレスト・ウォークからアレクサンドラ・アーチまでのルートは、シカゴ建築・デザイン博物館とヨーロッパ建築アートデザイン都市研究センターが行っている国際建築賞でベスト・グローバル・デザイン賞を2009年に受賞しました。

アレクサンドラ・アーチを降りて、様々な花に彩られたフローラル・ウォーク(Floral Walk)を歩いていくと、東西に細長く伸びるホートパーク(HortPark)の前に出ます。そのまま園内を進むか、または外側のハイデラバード・ロード(Hyderabad Road)を進んで、ペピス・ロード(Pepys Road)へ。道なりに上がっていくと、ブキ・チャンドゥ回想館(Reflection of Bukit Chandu)の前にたどり着きます。第2次世界大戦中、1942年に日本軍の侵攻によりシンガポールが陥落してから60年であることを記念して2002年にオープンした博物館で、イギリスの植民地時代に建てられたバンガローの中に、戦争中のイギリス軍や日本軍の資料、日本軍の攻撃からシンガポールを守るために戦ったマレー連隊の様子を再現したオブジェなどが展示されています。

ブキ・チャンドゥ回想館と道を挟んで反対側に、茶色い手すりが付いたウッドデッキの小道が見えます。ここから先がキャノピー・ウォーク(Canopy Walk)。ウッドデッキの上を歩く感触を楽しみながら木々に囲まれた道をしばらく進んで行くと、やがて眺めの良い展望ポイントに出ます。なだらかな丘の斜面にそって緑の葉を茂らせた木々があちこちに群生していて、その先には人々が暮らす街であることを示す高層の建築物がいくつも並んで見えます。

キャノピー・ウォークを抜けると、ケント・リッジ・パーク(Kent Ridge Park)の中に出ます。ここからさらにシンガポール国立大学方面へケント・リッジ・トレイル(Kent Ridge Trail)を歩いていくと、全長約9キロメートルのサザン・リッジの終点、ウエスト・コースト・パーク(West Coast Park)に到着します。

あちこちから聞こえる鳥のさえずりや虫の鳴き声を聞き、木々の間で動く鳥や動物たちの気配を感じながらの森林浴が街のすぐそばで可能なのは、コンパクトなシンガポールならでは。きれいに手入れされた道を歩けるので、スニーカーなどの歩きやすい靴と軽装で出かけても大丈夫です。誰でも気軽に出かけられるサザン・リッジで、身近な自然に癒されてみては。

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ヒルトップ・ウォークに入る道沿いに咲いていたブルーエルフィン。西アフリカ原産で、蝶のように見えることからバタフライフラワーとも呼ばれる。

 サザン・リッジ

Mount Faber Park; Telok Blangah Hill Park; or Kent Ridge Park Singapore 099203

TEL:1800-471-7300

 

Kent Ridge Park Singapore 099203

文= 石橋 雪江
写真=石橋 雪江

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.184(2011年03月07日発行)」に掲載されたものです。

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