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熱帯綺羅

2011年10月3日

下町の風物詩「Bird Singing」

大切なのは飼い主の愛情

鳥の飼育にはかなり投資している、と飼い主たちはみな自慢げに話します。たとえば鳥籠は中国に特注することもあり、高価なものは数千ドル。専門の職人が1年もの歳月をかけて仕上げるのです。質の良い竹を使って、ところどころに象牙の装飾も組み入れており、中国の神様や龍、鳥、花など細かい細工は芸術品といえそうです。中にある水や餌の小さな容器にも素敵な絵が描かれています。

バード・シンギング・コンテストには鳥の飼い主だけでなく、美声の鳥を買い求める人々も来場します。過去には優勝した鳥を1万ドル以上の値段で引き取っていった人もいたそうです。

「でも私は自分の鳥を売ったりしません。鳥はとても繊細な生き物なので、飼い主が変わるときれいな声が出なくなることもあるんですよ。ただ籠に閉じ込めておくだけではだめ。籠から出して散歩させたりもしますよ。愛情を込めて育てることが大事なんです」と手塩にかけた鳥たちを眺めるチョーさん。仲間たちと一緒にお茶を飲みながら、鳥の鳴声に耳を傾ける日曜の朝はきっと至福のひとときなのでしょう。

文= セガラン郷子、写真=セガラン郷子

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.198(2011年10月03日発行)」に掲載されたものです。

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