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熱帯綺羅

2015年8月17日

見た目も美味しさもインパクト大 魅惑のフィッシュヘッドカレー

 

美味しい食べ方や部位をご紹介
フィッシュヘッドカレーのあれこれ

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魚の臭みを取るレモン水。魚の頭を1、2度漬けただけで臭みが取れるという。

ムトゥスでは主役の魚に「アンゴリ(Angoli)」というタイのようなローカルフィッシュを使っているとのこと。頭の部分だけを仕入れ、週に約1,200匹分ものフィッシュヘッドを使うとのことです。ちなみに「なぜ頭の原型を忠実にとどめるのか」という質問については「見た目がいいから」という非常に明快な答えが返ってきました。
スパイスにはターメリックやタマリンド、セリ科の植物「フェンネル」など15種類を独自に配合。そのバランスは教えていただけけませんでしたが、ムトゥスでは1969年の開店以来、スパイスの調合など、変わらぬ味を守り続けているとのこと。ただ、フィッシュヘッドカレーを食べた際に魚の臭みを感じないのはスパイスで消しているだけではなく、調理をする前にレモンとライムを加えた水に魚の頭を1、2度ひたして魚の臭みを取っているのだとか。
美味しい食べ方のコツは、主食にナンではなく白米をチョイスすること。フィッシュヘッドカレーは汁気が多く、スープに魚の旨味が染み出ているので、魚の身とカレースープをお米によく混ぜあわせて食べるのがよいそうです。ヴィスヴァナース A.さん曰く、頭の身はどこもジューシーで美味しいとのことですが、特におすすめなのが舌や目。ゼリー状で他の部分とは食感が異なり絶品とのことでした。

 

ギネス記録にもなっている
今や国を代表するソウルフード

シンガポールでは過去に、フィッシュヘッドカレーでギネス記録が樹立されたこともあります。2012年、ムトゥスを含むリトルインディア5軒のレストランが協力し、2,012匹分のフィッシュヘッドカレーを一度にサーブしました。この記録は2015年8月現在まで破られていません。ギネス記録の食材としてフィッシュヘッドカレーが選ばれるあたり、国を代表する料理として認知されている証拠ではないでしょうか。多文化が共存する土地柄だからこそ生まれたご当地料理が多いシンガポール。その昔偶然にして生まれた料理が時を経て人々に愛されながら独自の発展を遂げ、ソウルフードとしての地位を築き上げた好例といえるでしょう。

 

286_Ph-4Mr-Visvanaath-A_web_reムトゥス・カリーの現CEOヴィスヴァナース A.(Visvanaath A.)さん。現在、リトルインディアのレースコースロード沿いにはフィッシュヘッドカレーを扱う店が多くあるが、最初に始めたのはムトゥス・カリーとのこと(写真提供:Muthu’s Curry)。


138 Race Course Road, #01-01(本店)
予約Tel:6392-1722
www.muthuscurry.com

138 Race Course Road

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.286(2015年08月17日発行)」に掲載されたものです。
取材・写真:長島 清香

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