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熱帯綺羅

2012年11月5日

日本人コミュニティの中心点「シンガポール日本人会館」

 

シンガポール日本人会にふさわしい会館を

Screen Shot 2015-07-28 at 4.26.35 pm新会館建設にあたっては、日系企業に負担をかけないよう、会員から建設協力金を募ることになりました。ある程度まとまった額になったところで、まずは会館を建てて、借入金を先々返済していくことに。せっかく寄付をした会員が、新会館の完成を待たずに帰国してしまうという状況を極力避けるための策でした。

 

新会館のコンセプト作りは、建設準備委員会が最も力を入れた部分。専門家のアドバイスを受けつつ、会員にもアンケートを実施。さらに各委員が会員の声を直接拾い、日本人会にふさわしい会館の形を模索しました。

 

検討を重ねた結果、アクセスが便利な1階には家族向けにファミリー・レストランや、キッズルーム、クラブショップ、受付など、2階にはボールルームや会議室、図書室、事務局オフィスなどを配置。3階には本格的な音楽演奏会も可能なオーディトリアムや、スタジオ、クッキングルーム、クラスルームなどカルチャーセンターとしての機能を集約。4階にはラウンジやハイクラスな和食レストランなど、大人が落ち着いて過ごせる施設が配されました。診療所は、正面玄関を入ってすぐの専用エレベーターで直接行ける形になりました。

 

1996年9月、新会館の地鎮祭が行われ、いよいよ工事開始。その様子は会報の『南十字星』で毎月報告されました。掘削工事の様子や進捗状況、地盤のこと、コンクリート打設のこと、構造設計についてなど、貴重なレポートを毎月書いていたのが、設計を担当した日本設計の小林利彦氏。当時会員の多くが、このレポートを通じて新会館建設を見守りました。

 

1998年2月、ついに新会館が完成。同年5月に開催された落成式には、当時副首相だったリー・シェンロン氏や、日本から福田康夫氏が出席しました。

 

会館は、その後幾度かの改装工事を経て、まもなく完成から15年を迎えます。時代やニーズの変化とともに少しずつ姿を変えつつ、これからもシンガポールの日本人コミュニティの中心点であり続けることでしょう。

 

120 Adam Road, Singapore 289899

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.223(2012年11月05日発行)」に掲載されたものです。
文= 石橋雪江

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