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熱帯綺羅

2015年2月2日

茶が結ぶ家族の絆。チャイニーズウェディングの「敬茶」

 

茶がつなぐコミュニケーション

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中国茶文化そのものに興味を持つ若いお客さんも増えているとか。ティー・チャプターでは台湾の烏龍茶の一種、東方美人茶が日本人にも人気だそうだ(写真4)。

家族や親類が集まるチャイニーズニューイヤーにも、特別な茶「八宝茶」を飲む伝統があります。ティー・チャプターで販売されている八宝茶の中身は、菊花、クコの実、ナツメ、レーズン、サンザシ、ロンガン、冬瓜糖、氷砂糖の8種類がミックスされたもの。1年の運気を上げるために、それぞれ縁起が良いとされる具材が使用されています。例えば、乾燥ロンガンは中国語で「桂圓」と書き、経済的に豊かなことを表す「貴滿」と音が同じであるため縁起が良いと言われます。

シンガポールの忙しい生活のなかで、家族が集まって茶を飲む習慣は薄れているようです。しかしここ数年、国際社会で中国の存在感が益々強まるにつれて、シンガポールでの中国茶とそれにまつわる文化に対する関心も高まっているらしく、新たな茶館や茶芸の学校が続々設立されています。

目の前で丁寧に茶を入れてもらい、お代わりのたびに小さな杯を行ったり来たりさせていると、初めて会った店員さんとも自然と笑顔を交わすことになり、会話が生まれます。指先で扱うほどの小さな器が大きな架け橋となって、その場にいる相手との心を繋いでくれる。和やかなひとときを味わうことができるでしょう。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.274(2015年02月02日発行)」に掲載されたものです。

取材:門前 杏里・写真2〜4:石澤 由梨子

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