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熱帯綺羅

2015年4月6日

意外なヘルシー食材、カエルに出会う小旅行

 

一風変わった「シーフード」

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ハシマを使ったスイーツは香港などでも人気。美肌効果が期待できるという(写真提供:Jurong Frog Farm)。

 

和食と比べると、ローカル料理は油が多く味付けが濃く、体に良くないと思われがち。けれども調べてみると、カエルは栄養価が高く、美食の国フランスでも高級食材として扱われていることがわかりました。そこで何とか抵抗感を乗り越え、俳句に倣って、ローカル料理という古池に思い切って飛び込んでみることにしました。

ゲイランの有名店「エミネント・フロッグポリッジ(Eminent Frog Porridge)」。開店直後の午後6時に訪れるとまだ空いていました。名物のカエル料理を食べたいと言うと、マレーシア出身の店員サン氏は「見るかい?」と生きたままのカエルを水槽から取り出してくれました。驚いて身を引くと、隣にはカニの水槽が。両者を並べて見てみれば、確かに色も似ているし、仲間に見えなくもありません。シーフード料理店で扱われているのも合点がいきます。

鍋にたっぷりのソースとカエル肉を入れて、炎がはみ出すくらいの高温で、細かい大量の泡を立てながらグツグツ煮込みます。オイスターベースのソースに生姜、ネギ、ニラの風味が溶け込んだ強めの味付け。胡麻油と塩の効いたシンプルなお粥と一緒にいただきます。ぷりぷりとした弾力、骨離れの良さは、まるで鯛などの白身魚を煮込んだ時のよう。お粥とともにどんどん箸が進みます。

そうこうしているうちに辺りは暗くなり、1人で夕飯をとる男性客や、陽気に酒を飲む数人のグループ客がいつの間にか店内に増えてきました。「午前4時まで営業しているから混むのはこれからだよ」とサン氏。シンガポールの夜の風景は、日々美味しいものを探し求めるシンガポーリアンの情熱で彩られているのでしょう。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.277(2015年04月06日発行)」に掲載されたものです。

取材・写真:門前杏里

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