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2014年12月1日

シンガポール系ITベンチャーの「ワーク・ライフ・バランス」を大事にした働き方

TAMSAN PTE LTD Managing Director 藤原寛明氏 業種:ウェブマーケティング プロダクション

シンガポールには数多くのベンチャー系ローカル企業が存在し、学生の頃からITを中心に非常に秀でたビジネスセンスやスキルを持ち、若くして会社を立ち上げた若者たちがいます。

 

TAMSANはシンガポールに進出して約2年半。メーカー、リテール、商社、メディアなど、幅広い日系企業のクライアントにウェブ関連制作を行なってきました。今後は加えて、新しい視点や人材との出会い、ローカルマーケットへの参入を強化したく、20名ほどのシンガポールIT系ベンチャー企業とオフィスのシェアを始めました。今回は、オフィスをシェアする中で感化されているシンガポールの企業の「ワーク・ライフ・バランスを重視した働き方」について紹介させていただきます。

 

このローカル企業も、制作系の会社によくあるフレックスタイム制を採用しており、社員の出社帰社時間は基本的には自由です。ファウンダーたちは、「人生の大切な時間を過ごす職場で、楽しく充実した時間を過ごして欲しい」を理念として掲げています。そのため、オフィスは友人宅のような雰囲気が作られており、共用スペースに大きなソファがあったり、テレビゲームがあり、冷蔵庫にお酒が置いてあったりと居心地の良い労働スペースが提供されているのです。

 

時間外労働や深夜労働を嫌がるシンガポーリアンに、この働き方は向いているのか?と疑問を持たれるかもしれませんが、驚いたことに、タスクを終えていなければ、スタッフは深夜まで残業をこなし、パーティの準備や、オフィスの模様替えのためであっても、嬉々として深夜、土日にオフィスで作業をしているのでした。

 

「社員として、勤務しているという感じ」が非常に薄く、「より良いものを楽しく作っている」意識を持っていることが感じられました。彼らは、給料をもらうために出社しているのではなく、プロジェクトに貢献するために力を発揮しているのです。立ち上げフェーズの企業であれば、こういったスタッフの存在がいかに重要であるか、ご理解いただけるのではないでしょうか。会社を作り上げ、自分のスキルを活かして会社を成長させることに誇りをもち、さらに、スキルアップできる場を与えられることにやりがいを感じられる、そんな人材が立ち上げ時では求められます。休日や深夜にも喜んで働けるようなロイヤルティを持ったスタッフで構成された会社は、現在の僕たちにとって理想の会社です。

 

「仕事も遊びも本気で」というのは理想的ですが、なかなか達成できることではありませんし、シンガポールのローカル企業でこういった働き方を実現している会社があることは驚きでした。「会社に依存せず働き続けられるスキルを持った人材が集まって、楽しく働く会社」と共に仕事をし、影響を受けることで、僕たちも、会社として次のフェーズへ邁進したいと考えています。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.270(2014年12月01日発行)」に掲載されたものです。

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