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徹底解析 人事評価制度

2019年10月25日

タカラベルモントグループ

 生産性の向上を図るべく、企業独自の評価に基づいて社員を育成する「人事評価制度」。
 この充実度の可否が企業の行く手を決めると言っても過言ではない。選ばれる企業とは何か。
 会社経営に大切な「ビジョン」の明確化、それに沿った具体的な業務目標を明示しつつ、どう社員の士気を鼓舞していくか。
 人材会社が選ぶ人材評価制度の充実したイチオシの企業を紹介する。
 

会社豆知識
タカラベルモントグループ (本社大阪市中央区)
 今回是非ご紹介したいのが、美容室向け設備メーカーのタカラベルモントグループ。
 鋳物工場として 1921 年に創業後、理容・美容部門に進出し、以来、理美容機器、化粧品、医療機器などを専門に取り扱ってきた。同社が手掛けた「電動理容イス」が国内外で大ヒットし、今では同製品で業界シェアNo.1を誇る。シンガポールには1975 年に駐在事務所を開設。
2014年にアジア・オセアニア地域の統括拠点として法人化し、5年目を迎える。

 

定量面と定性面での評価

 
 定量面での評価は、定性面に比べて行いやすい。会社の売上目標に対して、各営業が背負っている数字を達成しているかいないかを年、半期、四半期、月ごとで確認する。同社のすごいところは、この図りづらい定性面の評価制度が明確化され、徹底されているところだ。
 

徹底されたビジョン共有によるキャリアプランの目視化

 
 人の採用時にはトップ自らが面接に入り、会社の目指すビジョンを共有する。徹底して会社の目指すところをオープンに話すことで、各々の働くイメージもつきやすくなるのが狙いだ。螺旋階段を登るかのように先が見えないと、社員のモチベーションは下がり、働く意義を見失っていく。それを防ぐために、キャリアプランを可視化し、社員に共有している。個が尊重されることにより、納得感が生まれる。会社全体のビジョンを叶えるために、自分はどういった役割を担う必要があるか、想像しやすくなる。どれをどこまで達成すれば次のポジションに上がれる、ゆくゆくは更に上がり、こうなる、といったように目指す目標が明確化されることで、社員も闇雲に働いてるという感覚を持つことはなく、高いモチベーションを維持したまま働くことができる。仮にずれたとしても、明確化しているため、指摘もしやすい評価制度なのだ。

 

社員とのコミュニケーションを欠かさない

 

 月の半分が出張という永川氏だが、どんなに多忙でもオフィスにいる際、業務の10%は社員とコミュニケーションを取る時間に充てるという。“トップダウンで現場が見えていない経営者”や“管理経営者”にならないために、日々のコミュニケーションを欠かさないことで、スタッフの意見も吸い上げつつ、決定事項にも巻き込むことができる。そうして初めて、民主主義的経営が可能となるわけだ。日々、社員の働きを間近に見、感じることができるのも、定量面以外の定性面での評価に繋げることもできる。逆も然り。社員も日々社長と一緒に働くことで、会話の中から経営状況をオンタイムで聞くことが出来るので、自分の頑張りがどれほど会社の貢献につながっているのか、なぜ忙しくて残業しなければいけないのかなどが日頃から予測・理解することができ、不満や不当と思うこともなくなる。また、堅苦しいミーティングという名のもとに話すのではなく、気軽にその場で社員同士でも話ができるように、社内の座席のレイアウトも工夫されている。とても広くて綺麗なミーティングルームがあるのだが、ほぼ使うことがないのだという。

工夫された人事制度

 こうした従業員が納得できる評価を打ち出すことができ、企業が納得できるパフォーマンスを全員があげるといったような環境作りは、永川氏の今までの経験で培われたものもあるが、継続する日々の行動・コミュニケーション量・信頼から成し得る技である。
 

企業カルテ
✔ 企業のビジョンや経営方針、目標の明示
✔ 人材の最適な配置や待遇の決定
✔ 社員の人材育成
 
✔ 明確であるか
✔ 具体性があるか
✔ 絶対評価であるか

 

「人を思いやる」人事制度を考えあげた
MD 永川 源氏

 マネージングダイレクターの永川源氏は米国の大学を卒業後、金融機関を経て、1997 年にタカラベルモントに入社。日本からアジア圏を管轄する業務に従事した後、イギリス・カナダに 10年駐在。当地には統括拠点立上げのため、2014 年に来星した。入社以来「人を思いやる会社を作ることだけを考え、邁進して来た」という。
 求職者からの同社の人気は圧倒的で、特に面接が終わった後の反応がすこぶるいい。「素晴らしい会社だからどうしても入りたい」「会社方針、評価制度を丁寧に説明してもらった。とてもわかりやすかった。是非入りたい!」とほぼ全員が声を揃えて、タカラベルモントに入社したいというのだ。求職者を虜にするこの企業の人事制度とは一体どんなものなのか?
著者プロフィール
Good Job Creations (Singapore) Pte.Ltd
Senior Business Development Executive
山本 祐子(やまもと ゆうこ)
Regional General Manager

1991年、京都生まれ。自動車部品専門商社にて勤務後、学生時代のカナダ留学の経験を活かすべく、2016年に来星し、Good Job Creations(Singapore)Pte. Ltd.に入社。趣味はテニスとダイビング。

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