求める人材と事業を通じて実現したい想い

弊社は無添加化粧品とサプリメントを9つの直営店舗で販売させていただいており、従業員数としては決して多くはない会社です。しかし、今回このような機会をいただき、人材採用や教育に対する「考え方」と、事業を通して実現させたい「想い」を紹介し、人材採用とその教育に従事する方々のご参考となればと考え、以下に述べてみたいと思います。

小売業における求める人材

近年「パラベンフリー」と表記された化粧品を多く見かけますが、弊社が謳う無添加化粧品とはパラベンをはじめとした肌に少しでも良くないと考えられる成分を排除した化粧品です。それらが排除された結果、肌への微細なストレスもなくなります。排除されたということを言い換えれば、肌に必要な成分のみとなったと言えます。肌に必要な成分だけで作られていることから、配合されている美容成分がその働きを最大限に発揮する商品設計になっています。化粧品を例に弊社商品を簡単に説明させていただきましたが、この様に無添加化粧品をお客様にご理解いただくには、多少の説明を必要とする商品特性であります。さらに、化粧品ブランドでありながらサプリメントも取り揃えて、体の内側からはサプリメント、体の外側からは無添加化粧品でお客様の美容と健康をサポートするご提案をさせて頂いております。そのため、取り扱いのアイテム数が多いことも特徴となります。つまり、弊社の店舗で働く人材（ビューティーアドバイザー）には美容知識に加えて、健康に関する専門知識と化粧品とサプリメントの両分野に亘る多アイテムの商品知識、お客様の肌状態を診るカウンセリングスキルが必要となります。

また、お客様のニーズが多様化かつ流動的な時代、会社は総論（方向性）を出すことができても、これをするのが正解といった各論までスピーディーに出し続けることはできません。答え（お客様ニーズ）は最前線である店舗にしかなく、その為には第一線の店長やビューティーアドバイザーの「何が問題か？」「何をすべきか？」を考える力が必要になります。

つまり、お客さまの視点で考え、満足していただきたいと想う「おもてなし」の精神を持っていることをベースとして、美容と健康に関する知識と商品知識があり、自らの力で問題発見、課題設定、解決する実行力をもっていることが理想のビューティーアドバイザー像となります。

採用に関しては、この様な思考と行動ができる資質を持った人材を採用すること、また、人材育成に関しては、このマインドに共感を持ち、知識・技術を習得し、継続的にそれらを向上させ続ける教育とビューティーアドバイザー自身が成長を実感できる環境が重要と考えております。

小売販売員の活躍

日本よりも転職が早いシンガポールにおいて、まだ小売販売員への教育投資は非常に少ないように感じております。事実として、「自分の子供を小売販売員にさせたいとは思わない」と育児中のシンガポール人から聞くことも少なくありません。国家としての意思決定がトップダウン方式で早く、変化にも迅速に対応したことで急激な経済発展を遂げ、東南アジアにおける金融のハブになった自負を持つシンガポール人にとって、小売業とは実にレバレッジの効かない地味な業界に見えることは容易に想像できます。だからこそ、弊社は志として、販売員への教育投資を積極的に行うことを考えています。

当地の厳しい教育制度の中で、平均的な小売販売員の学歴は高いとは言えないと思います。しかし、職業を通じて、学ぶ機会を自ら活用し、自分自身の更なるキャリアアップを図ることのできる小売販売員を多数輩出できることを切に願っています。その為には、社内の研修制度を充実させ、販売に関する高い知識と技術を持った小売販売員に育成していきたい。また、人事制度に大胆な改革をもたらし、そのような人材が実績を上げることで高い給料を獲得し、やや使い古された表現ですが、「カリスマ販売員」が出現するようなことも期待していきたい。小売業が今よりも社会から注目される業界となり、この業界に従事する人材がキャリアを築く過程において、弊社との出会いがあり、弊社の人材教育への取り組みが一助となるようにしたい。当地でのビジネスを通じて、小売販売員の社会的地位の向上に貢献できることと考え、さらに、この考えに共感いただける企業が増えることを願っています。