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Employer's Voice

2013年5月20日

人材の採用について感じた日本とシンガポールの3つの違い

Cloud Consulting Pte. Ltd. CEO 前田利之 業種:IT

シンガポールで仕事をするようになって1年少しが経ち、最近になってようやく現地の人材を雇用するようになりました。弊社では、ソフトウェア開発、クラウドホスティングサービス、ITコンサルティングなどを手掛けていますが、採用活動を通じて感じた日本とシンガポールの違いについて書かせていただきます。

1.女性が多い

これは採用を通じてだけでなく、シンガポールに来たときから感じていたのですが、とにかく働く女性が多いです。事業を始めるにあたり銀行や会計事務所、役所、不動産屋などを回ったときに出て来た担当者が女性ばかりで、この国の男性は仕事をしていないのかと思ってしまうぐらいでした。

弊社の担当をしてくれている銀行の担当者は男性なのですが、「今度ボスを連れて挨拶に行く」と言っていたので普通に年配のおじさまでも連れて来るのかと思ったら、若くてキレイな女性で、私にもこんなボスがいたらいいなぁと少し羨ましくなりました(笑)。

弊社の人材募集でも、やはり応募される方は女性が多く、面接させていただいた方々はすべて女性でした。何かの資料でシンガポールでは75%以上の方が仕事をされていると見たことがあります。おそらく女性が働いて当然な文化で、働きたい女性にとってはとても居心地がよい国なのだろうなと思います。

2.職歴が多く、それぞれの期間が短い

日本では多くの場合、学校を卒業して新卒として会社に入り、長期間勤めるというのが一般的だと思うのですが、こちらでは長くて2〜3年、短い場合は3ヵ月ほどで辞めているケースも見られ、少し戸惑いました。教育、育成してもすぐに辞められてしまうのではと不安でしたが、今は逆に優秀な人材も見つけやすいと考えるようになりました。

日本では一度無職になってしまうとなかなか社会復帰できない風潮がありますが、こちらでは気軽に辞めて気軽に再就職できるような環境です。逆に会社も従業員の解雇も比較的楽にできる環境です。どちらがイイかは判断が難しいところですが、個人的にはある程度の期間同じところで働く方がお互いに良いと思っています。あまり職場を転々としすぎると結局何も身に付きません。ただの作業員として仕事をするのであれば別に構わないのですが、仕事の全容や流れを把握するにはある程度同じところにとどまらないと見えてこないものがあります。もっとも、日本はもう少し規制や風潮が緩くなった方がいいとは思いますが。

3.外国人が多い

私も日本人なのでこちらでは外国人ですし、シンガポールは外国人の移民が多いので当然と言えば当然ですが、本当に外国人労働者が多いです。面接させていただいた中でも半数近くは外国人。そのほとんどがマレーシアの方で、中国の方もおられました。シンガポールとマレーシアはとても近い国なので本人達にしてみればあまり違和感はないのかもしれません。また、中国の方にとっても母語が同じなので同様なのかもしれません。

日本人にとっては母語が同じ外国というのは存在しないのでイメージしにくいのですが、もしそのような国があったとすれば海外がもっと身近に感じられるのかもしれません。やはり海外に進出する際の一番の障壁は言語の壁なのだと改めて実感しました。

4.最後に

海外で働くと、当然ながらその国の良いところ、日本の悪いところが自然と目に付きます。海外で働いている日本人には、日本や日本人の事を悪く言う人も結構多いような気がするのですが、私は逆に海外で働くようになってから「日本はスゴい」と思う事が多くあります。日本の良いところをシンガポールでの仕事に活かしたいと思いますし、逆にシンガポールの良いところを日本に伝えて、日本がもっと元気になれるように少しでも貢献できればと思います。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.234(2013年05月20日発行)」に掲載されたものです。

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