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2013年9月16日

不動産業界の動向

ERA REALTY NETWORK PTE LTD ダイレクター 岡本昌信 業種:不動産

シンガポールでは、政府のここ2〜3年の間の不動産政策等により、賃貸・売買の動きとも全体的に少しずつ落ち着いてきております。
シンガポールに住む日本人の数は増加傾向が続いており、日本人が多く住んでおられるコンドミニアムの賃貸価格は引き続き高値で推移しております。

不動産業務においては2011年より国家試験制度が導入されて、試験にパスしなければ一切不動産営業、内観などができなくなりました。不動産営業に携わる日本人エージェントの数も今や10人前後ぐらいに激減したようです。
雇用に関して、例えば弊社ではアドミン部門でローカル雇用を推奨しており、ビザ申請を伴う雇用までは強く行っていないようです。営業を担うエージェント職は、ローカルもしくはPR保持者で国家試験をパスしていることが前提となるため、新しく日本から来られた方の雇用は少し難しいようです。

日本人エージェントとローカルエージェントの違いは、まず、複雑な不動産賃貸契約内容などを日本語でお客様に説明できることです。また、内観時にも、日本人学校のスクールバスのルートや、日系スーパーまでの行きやすさなど、日本人顧客が必要としている情報を即座に提供できます。
また、シンガポールでは、個人が不動産エージェントとして活動するには、先にお話したように国家試験にパスした上でライセンスを持つ不動産会社へ登録することが必要で、一部不動産会社を除いて、基本給無しのフルコミッション制というシステムになっています。日本の不動産会社のサラリーマンと異なり、年間を通して決まった休日もなく、全て自己責任による管理能力が強く求められます。

私が所属するERAは米国に本社を持つシンガポールで最大手の不動産会社で、シンガポール全体で約3万人いるエージェントのうち20%を占める約6,000人が所属しており、大変アカデミックな社員教育の充実した会社です。日本の不動産業界とは大きく異なる環境の中で、数少ない日本人エージェントとしての強みを発揮しながら、シンガポールで住まいをお探しのお客様、特に日本人のお客様にとって一番頼れるエージェントでありたいと思っております。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.242(2013年09月16日発行)」に掲載されたものです。

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