シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX求人TOPコミュニケーションに携わる者として

Employer's Voice

2013年10月21日

コミュニケーションに携わる者として

FLP YOMIKO Singapore アカウント・マネージャー 小峰哲夫 業種:広告代理業

FLP YOMIKO Singaporeは当地に根差して23年を数える広告代理店です。これまで様々な日系・シンガポール双方のお客様のコミュニケーション構築のお手伝いを手掛けてまいりました。本年3月には読売広告社と提携、当地での豊富な経験と機動力にグループのソリューションを取り入れながら、広告の分野から皆様の事業をサポートさせていただいております。今回は我々の事業領域である“コミュニケーション”に携わる者として大事にしていることを武道の話と交えて寄稿させていただきます。

来星前の2年余り、息子と一緒に初めて合気道を習いました。合気道は読んで字の如く“気に合するの道”と書きます。争わざるの理に基づく武道で、自分自身の心身をコントロールすることを目的としています。「人に触れなくても投げることができるのか」と聞かれる事も稀にありますが、合気道はトリックでも手品でもなく、他の武道同様、稽古・練習を重ねた分だけ自身をコントロールでき、技に磨きをかけることができます。有段者の域に達すると技のかかり方が前述のように見えることがあるかもしれませんが、それは鍛錬の賜物です。
自分の流派では、稽古の基本原則の一つに“合気道の五原則”というものがあります。ここには(1)気が出ている、(2)相手の心を知る、(3)相手の気を尊ぶ、(4)相手の立場に立つ、(5)率先窮行、とあります。自ら気を出すことで、相手の心を知ることができる。相手の心を知るからこそ、相手の気を尊ぶことができる。相手の気を尊ぶからこそ、相手の立場に立つことができる。あとは自信を持って行動する(率先窮行)という意味です。
例えば、レジの店員に数えやすい状態でお金を渡すことで列の流れがスムーズになるといった、とても小さな心配りができる事も“相手の立場に立つ”事です。簡単なようで難しいこの行動姿勢も、自分で意識することで必ず高められる能力です。事実、合気道では稽古を重ねることで各人に変化が表れます。自分勝手な行動からはよい結果は生まれず、周囲との調和を導く事が良い結果を生み出すとも言え、こうした意識を持つ方と仕事をご一緒する事は双方に良い結果をもたらします。

広告業界は今、様々な視点から日々新たな仕組みが世界中で生まれています。これらの情報を取り入れながら、常にクライアントと消費者の双方の“立場に立つ”事によって、有益かつ新しいサービスを提供できると考えます。この能力を一層高め、大きな意味で日本と世界をつなぐことができるアドマンが一人でも多くこのシンガポールから活躍できるようになればと思うと共に、自身も日々の鍛練を改めて心掛けるべく気を引き締めてまいります。

 

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.244(2013年10月21日発行)」に掲載されたものです。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX求人TOPコミュニケーションに携わる者として