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2014年8月4日

2ヵ国の駐在を経験して思う、シンガポール人の優秀さ

Tokyo Keiso Asia Pacific Pte Ltd Senior Sales Manager 楯列 高士 業種:流量計、液面計メーカー

今年4月末でシンガポールに駐在して3年が経ちました。また、4月より現在の会社に転職をしたため、今回お話させて頂くのは以前勤めていた会社での経験となります。以前は、2005年2月〜2011年4月中旬まで中国・上海に駐在をしておりました。

当時の従業員で問題になっていたのは、先を読む力の不足、危機管理能力不足でした。例えば、仕入先に注文を入れた後、納期確認や督促をせず、一方的に回答を待っている状況(当然入社時には研修やOJTにて業務方法を教えるのですが)。本人いわく、「私は注文をする事が仕事で、注文に回答をするのが仕入先の責任」という事でした。当時注文書をFAXで送っていたのですが、機械の故障や相手先の不都合でFAXが受信出来ていない可能性を考えず、電話で注文書が届いているかどうかの確認もしていませんでした。その結果、注文漏れとなり大きな問題に発展。その時点で、ようやく上司である私に「何とかして頂けませんか?」と報告してくる始末。理由を聞いても、「私は、注文書をきちんと流しましたから悪くありません」の一点張り。「では、納期確認はしましたか?」と問えば、「なぜ納期確認が必要なんですか?私は私の仕事をきちんとやってます」と。

中国では自分のミスを認めない事が多々あります。結局は、何とか仕入先と交渉し、事無きを得ましたが、当時は上司である自分自身がチェック項目を作成し、確認を取ってました。

シンガポールでは、ほぼそういったミスの報告を受ける事はありませんでしたし、あったとしても問題が大きくなる前に報告/相談をしてくれてました。よって、私のシンガポール人従業員に対する印象は、「非常に優秀。細かい点にも気がつき、先を読む能力にも長けていてミスが少ない」という印象でした。もちろん、業種形態や企業規模によって違いますので一概には言えないかもしれません。以前の会社は、私を含めて8名という小さい事務所でしたし、20年以上勤務してくれていた女性社員が2名おりましたので、前任者から引き継いだ後も、それほど苦労をした覚えがありませんでした。

ただし、何でも合理的にやろうとするので、日本人のような規律を求める事が難しいと感じました。特に時間を守るという点では、かなり自由な感じ。15分遅れてくるなら、15分残業すれば良いでしょう?というような事がありました。「遅刻は、評価が下がる要因、イコール給与に影響する」と説明すると一部の人間はきちんと来るようになりましたが、それでも遅刻する社員はいました。日本人が厳し過ぎるという事かもしれませんが、日系の企業で働くなら、そういった点はきっちり守って欲しいと思いました。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.262(2014年08月04日発行)」に掲載されたものです。

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