シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX社説「島伝い」TOP「任せる」と「任せっぱなし」の違い

社説「島伝い」

2016年11月7日

「任せる」と「任せっぱなし」の違い

シンガポールや東南アジア市場への参入や販路開拓を目指す日本の中小企業や自治体が、ここ1年ほどで一層増えていることは以前にもこの欄で触れましたが、市場調査や、製品やサービスを知ってもらうためのPR、販売といった活動を行っていく上で欠かせないのが、現地でのパートナー。このパートナー探しがなかなか難しい、という声をよく耳にします。

 

現地の市場や消費者のニーズをよく理解していてノウハウも豊富なのは、やはり地元の企業や人材。しかし、日本の商習慣や商品、サービスについてはなじみが薄い場合も多いため、日本で既に取引実績のある日本企業の現地法人や現地在住の日本人がパートナー候補になりやすいようです。ただし、この「日本側のことをわかっている相手」を選ぶことが結果的にあだになっていると思われるケースも少なくありません。海外でありながら、仕事のやり方や手続きがすべて日本式になりがちで、後々ネックになる事例が多いためです。

 

日本以外の土俵に行く以上、なるべくその土地のやり方に合わせられる柔軟性が必要となってきます。書類や支払い手続きなども現地の方式に沿って行うことで、情報の脱落や無駄なステップを減らし、結果的に効率よく進めることができます。加えて、日本側の決裁に関わる手続きなども、現地の方式に対応しやすいように変える必要が出てくるでしょう。そこでも、現地の事情に精通するパートナーがきちんと説明し、助言するという大事な役割を担うことになります。

 

もう一つ重要なのは、進出事業を推進するために必要な業務をパートナーに任せても、「任せっぱなし」にしないこと。主体はあくまでも市場参入や販路開拓を目指している日本企業であり、自治体側です。日本側の意図や要望がきちんと現地側に伝わり実行されているか、あるいは現地側のニーズが確実に聞こえているか、しっかり把握することは事業成功のために欠かせません。そして成功例はやはり、良いパートナーと共に日本側が主体的に動いているケースに多いようです。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.313(2016年11月7日発行)」に掲載されたものです。

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