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社説「島伝い」

2008年11月17日

不景気だからできること

年末が近づいてきて最近特によく耳にするのが景気の話。今年前半まではシンガポール全体でも業績好調な企業が多く、日本からシンガポールへ進出する企業も多く見られました。しかし、今は多くの方が口を揃えて言うのが「今年までは良かったけど、来年は厳しくなるよ。」

 
マスターカードが最近域内で実施した調査でも、全体的に消費者心理が低下していることを示す結果が出ていました。世界中で金融不安が広がっており、確かにこのまま行けば来年は今年に比べて景気が後退することになるでしょう。

 
しかし、言われているほど本当に悪くなると決まっている訳ではありません。メディアの報道や聞いた話で「景気悪化」ということばがいつの間にか刷り込まれて、「来年は景気が悪くなる」というイメージが先行し、マイナス1のことをマイナス10ぐらいに考えていないか、自分自身の中でも検証する必要があります。

 
インターネットや新聞での報道などを通じた情報収集はもちろん大事ですが、集めた情報を分析し、自分の目で確かめて冷静に判断する必要があります。調査結果が示す数値やメディアからの情報は判断材料のすべてではない、ということを忘れてはいけないでしょう。

 
景気が悪くなると「予算削減」ということばもよく聞かれるようになります。入ってくるものが減るのであれば、出るものも減らすという考え方自体はもちろん間違っていませんが、一切出さない、つまり予算をゼロにしてしまうのも考えものです。これまでに予算を割いて形を作ってきたものをゼロにしてしまったら、再びその形を作ることはたやすいことではありません。それよりは、予算の使い方で目に見えない無駄な部分が無いか、まずは見直すべきでしょう。体でいえば贅肉を落として、筋肉質な強い体質にしよう、という訳です。

 
景気が悪くなることを暗く考えるのではなく、「不景気でも乗り切るぞ」という思いを持つ事と、それを実現できる強い体質になるために何ができるか、プラス思考で考えることが必要なのではないでしょうか。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.134(2008年11月17日発行)」に掲載されたものです。

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