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社説「島伝い」

2011年4月18日

日本復活への道のり

昨年末ごろから、日本からシンガポールへの進出、あるいは上場を検討する企業が一段と増えているようです。シンガポールは元々アジア展開を図る外国企業の進出先として人気が高い国ですが、3月11日の東日本大震災発生後、日本からの進出を急ぐケースが見られ、動きが加速しているようです。

 
シンガポール経済は昨年に引き続き今年も好調。一方で、シンガポール金融管理庁(MAS=中央銀行)は4月14日にシンガポールドルの為替レート引き上げによる金融引き締め強化を発表しました。インフレ懸念もあるでしょうが、政府も当面の経済成長を確実視しているということでしょう。

 
単純に考えれば、ビジネスを動かす側にとって魅力的なのは今は日本よりシンガポール。ただ、日本ではなく海外に機を見出そうと急ぐ動きは、地方から都市部に人が流れた結果、地方で高齢化と過疎化が進んでしまったことが重なって見えて、やや心配でもあります。

 
また、震災の影響で価格が下落した上場企業の株や、経済回復後に値上りが見込まれる一等地の物件を今のうちに購入するといった投資家の動きが、日本国内だけでなく海外からもあります。ビジネスとして投機を見逃してはならない彼らの動きを止めることはできませんが、今回の震災で戦後と同じぐらいと言われるダメージを受けている日本にとって、「弱り目に祟り目」とならないようにしなければなりません。

 
今回の大震災は、かなり落ち気味だったとはいえ経済大国だった日本が大きく揺らいだことで、世界各国にも様々な面で影響を与えています。各国が立てていた経済予測や政策なども今後見直しが必要な部分が出てくるでしょう。この状況下でどのような判断を下し行動するかによって、各国の真価も問われます。

 
日本は被災地支援や復興、危機的な状況が続く原発への対応など国内でやらなければならない事が山積で、とかく国内に意識が向きがちですが、日本という国を守って復活させるためにも、広く国外を見てしっかり動く必要があります。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.187(2011年04月18日発行)」に掲載されたものです。

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