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社説「島伝い」

2013年4月15日

現状維持に陥らないために

「ビジネスで成功する一番の方法は、人からいくら取れるかをいつも考えるのではなく、人にどれだけのことをしてあげられるかを考えることである」というのは、20世紀前半に活躍したアメリカの著述家、デール・カーネギーの言葉です。

 
企業活動において利益を上げることはもちろん重要ですが、その前に考えるべきなのは、企業として地域や社会に何の貢献ができるかということ。まだ誰もやっていないことで、地域や社会にどれだけのことをしてあげられるかを考え、その中で見つけたビジネスチャンスから最終的に利益も出せる、という流れを目指すべきではないでしょうか。最初から金儲けになるか否かだけを判断基準にしていたのでは、いろんなものを見失うおそれがあります。

 
昨今のシンガポールには、世界中からさまざまな人や物が流れ込み、いろいろな流れがあります。日本からも、日本製のお菓子や加工食品、レストランチェーン店など食品関連だけでなく、日本でおなじみの商品やサービスが個人向け・企業向けともに本当に増えました。また、そのスピードが思った以上に速まっているのを感じます。もはや「シンガポールに日本のものが増えている」というレベルを超え、在住者である我々も気付かないところで新しい変化が起きていたりします。

 
普段住んでいる場所や身近なものの変化というのは、案外気づきにくいものです。自分達の周りで起きている変化やそのスピードをきちんと認識できていなければ、適切な対応が取れずにいつの間にか取り残され、結果的に現状維持に甘んじていたのと変わらないことになってしまいます。

 
周りの状況や、自分達の立ち位置を見失わず、自分達の強みは何か、弱みは何かを常に意識すること。そして、自分自身あるいは企業自体をどのように変革し、変化し続ける状況にどう対応するのが自分だけでなく周りにとっても最善か判断していく。その積み重ねが、個人でも企業でもさらに強い体質を作ることにつながるのではないでしょうか。シンガポールでは、そんな姿勢がますます必要になってきているようです。

 

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.232(2013年04月15日発行)」に掲載されたものです。

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