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社説「島伝い」

2013年8月19日

国の成長と市民の暮らし

先日、20代から40代までの若い世代のシンガポール人の人達と、日本食についての考え方や、彼らの食生活についていろいろと話を聞く機会がありました。

 
シンガポール人の食への関心の高さはこれまでにこの欄でも度々言及していますが、若い世代でもその点は変わりないようです。ただ、「家で食事を作らない」というのは過去のことになりつつあるようで、朝食や昼食は「外メシ」でも、夕食や週末など比較的時間がある時は自宅で料理して「家メシ」を楽しんでいる、あるいは、母親の手料理を食べるのが楽しみ、といった声が多く聞かれました。

 
食に対するお金の感覚も大きく変わってきているようです。かつては、一杯10ドル以上するラーメンを食べる日本人を見たシンガポール人から「プロウン・ミーなら一杯2ドルなのに」と言われたものですが、今回話をした人達の多くは「おいしいものにはお金をかけても良い」とのことで、一度に数百ドルの出費も厭わない、という人も。「シンガポールには無い日本食で、これがあったら良いのに思うものは?」と質問したところ、「馬刺し」や「クジラ」との回答。「馬刺し」と答えた人に「じゃあタテガミは?」と聞いたところ、「あれは今まで食べたものの中でも絶品だった」と即答されて驚きました。外食にかかる費用が以前に比べてかなり高くなっていることについては、「景気が良くなって物価も上がっているのだから仕方がない。店側も値段を上げざるを得ないだろうし、賃料や人件費の上昇もあるので利益はそれほど変わっていないだろう」とのことでした。

 
シンガポール経済が大きく成長していることはさまざまなデータにも表れていますが、一般市民のライフスタイルの変化は、数字からはなかなかわかりません。しかし、今回若い世代の人々と話した中で、彼らの食べ物に関する考え方や食生活のスタイル、お金のかけ方などが大きく変わってきていることを感じました。これらの変化は、国の経済成長によって国民の生活が本当に豊かになっていることの証でもあり、シンガポールの中にある良い流れのひとつでしょう。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.240(2013年08月19日発行)」に掲載されたものです。

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