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社説「島伝い」

2013年10月21日

日本食・食文化を伝える動き

0月17日から19日まで、日本食品見本市「Oishii JAPAN 2013」がシンガポール・サンテック国際会議場で開催されました。昨年に続いて200を超える企業や団体が出展し、地元の飲食業界関係者などが多数来場しました。また同時期に、米や高級和牛、酒など日本各地の特産品をPRするイベントがいくつも開催されました。

 
日本の農林水産省も、10月3日から11月30日までシンガポールで「日本美食週間」を開催中です。「OISHII JAPAN 2013」での日本食・食文化の紹介ブース出展のほか、トークショーや料理デモンストレーションのイベントなども予定されています。

 
このように、食に関わるさまざまな人々が今、日本食および食文化を携えてシンガポールへやって来ています。以前から言われているように日本の国内市場は縮小傾向にあり、海外に活路を求める流れがここ数年は特に大きくなっています。海外の人々の日本食への興味や関心が、以前にも増して高まっていることもその流れを後押ししています。加えて、日本からシンガポールへ生鮮食料品を輸送するシステムも年々良くなっています。

 
しかし、展示会やイベントなどで日本から新鮮な食品を持ちこみ、現地で実際に試食してもらう機会を設けることなどは比較的容易になりましたが、その先のビジネスとして展開するところ、つまり、いかに現地で継続的に販売していくか、という点でまだまだ苦戦しているケースが多いのも実情です。そこを打破するために、日本食について現地の人々にきちんと情報を伝え、理解を深めてもらうことが一助になれば、という思いから、日本食・食文化を紹介する英語媒体『OISHII』を創刊しました。日本の四季にあわせて、今後年4回発行される予定です。

 
おいしいものを通じて海外の人々に日本の食文化に触れて頂くことは、日本への理解を深める近道のひとつ。シンガポールだけでなく世界へ向けて発信することで、日本食のより一層の浸透・拡大に加えて日本への観光誘致など多面的に寄与できる媒体に育つことを願っています。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.244(2013年10月21日発行)」に掲載されたものです。

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