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表紙の人

Vol.228

2013年2月4日

宮本 紀子さん

エノテカ株式会社 オペレーション・マネージャー。

asiax (50)神奈川県出身。大学2年生の夏休みに短期留学でオランダへ。週末を利用してベルギーなど周辺国を旅行した際、フランスでワイナリーを初めて訪れ、「こういう世界もあるんだ」と驚いた。

大学卒業後、2004年4月にワインの輸入・卸・小売のエノテカに入社。最初の5年間は横浜の大手百貨店内の店舗で勤務。ワインを取り扱う仕事は一見華やかだが、ワインケースの運搬など意外に重労働も多い。しかし、顧客との出会いや、百貨店の担当者や本社とのやり取りから多くのことを学んだ。2009年からは東京・池袋の百貨店の新店舗へ異動、副店長として店内のレイアウトなども任された。
2011年、横浜の百貨店にある3店舗を担当する統括副店長を経て、6月に来星。初めは、物が溢れていて、あまり人間味が無い国のように感じた。家族での食事をホーカーなどで済ませる感覚にもやや戸惑った。しかし、子供の学校での清掃活動に親が積極的に参加するなど、違う形で家族を大事にしていることが次第に分かってきた。産後の職場復帰の早さなどを見てもガッツのある女性が多いと感じる。
職場で日本人は1人だけ。来たばかりの頃は、現地スタッフの接客に苛立つことも多かった。お客様の名前や好みを覚える、といった日本の店では当たり前のことを注意してもポカンとされるばかり。そこで、自分が接客していて嬉しかった経験や、自分で工夫して商品が売れた時の喜びなどを伝え、スタッフにも成功を体験してもらえるような環境作りを進めることに。まだまだ教育が必要ではあるものの、以前よりは良くなっていることを実感している。ワインを買うならエノテカで、という顧客を1人でも多く増やすために、スタッフの指導に力を入れるだけでなく、企画を考えたり、さまざまな取り組みを試みている。ワイナリーから直接仕入れている会社だからこそ、作り手の想いを卸し先や店舗に来るお客様に伝え、ワインを作る人と飲む人との懸け橋になれるよう努めている。
多国籍の人々が集まるシンガポールで、これからも多くの人々と知り合い、たくさんのことを吸収しながら成長し、インターナショナルに活躍できるスキルを身に付けることが目標。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.228(2013年02月04日発行)」に掲載されたものです。

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