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Vol.252

2014年3月3日

都築 直樹さん

「厨ダイニング」「SMOKE HOUSE」総料理長&ジェネラルマネージャー。

asiax (26)料理の道を志したのは、若干10歳。伊勢湾に面する愛知県知多市で育った。小学校から帰ると釣り竿を担いで自転車で海へ。残念ながら、竿にかかるのはハゼなどの小物ばかり。それでも、釣った魚を持ち帰り、包丁でさばいて食べるまでが都築少年の楽しみだった。

お菓子作りにも没頭。「ケーキを焼きたい」と、両親に頼み込み誕生日に買ってもらったのは、当時高価だったオーブン。元来の食いしん坊で、「自分で作って食べたい」が動機だった。
上京し、築地の料亭などで板前修業をした。その間に調理師免許取得、難関の東京都ふぐ調理師免許を21歳で取得。「早く自分なりの、独自メニューを提供できるようになりたい」という思いを胸に秘め、和食の基礎を徹底的に学んだ。誰よりも早く出勤し、技術を貪欲に吸収していった。
2001年、意外な場所で思いが叶うことになった。「シンガポールで立ち上げるレストランの料理長として迎えたい」という誘いに、初めは戸惑った。何しろ「海外恐怖症」でそれまで一度も、海外旅行にさえ行ったことがなかったからだ。アクティブな妻に背中を押され飛び出した。
その後、転職して現在の立場に。13年の在星期間中も欠かさないのが、東京・築地市場や新しい調理法を取り入れた料理店に行くこと。「日本は食材の宝庫。次々に新しい商品が出るし、知られていない地方の食材もまだまだある」。興味がわいた食材は、その場ですぐに買い求めたりして、さまざまな調理法を試すという。実際の店のメニューにつながることは少ないが、納得がいくまでやめられない。新しいことに挑戦し料理の幅を広げることは、モットーでもあり楽しみでもある。一方で、「完全に自信を持っているのはだし」とも。煮物、吸い物、そばと3種類の用途に応じて引くだしは「和食の基本」。基礎あってこその挑戦なのだ。
今の夢は世界を旅して色々な食に出会うこと。「いろんなものを食べてみたい。出尽くしたと思っても、まだ新しいものが出てくる」。飽くなき探求心で、新しい料理の道を切り拓く。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.252(2014年03月03日発行)」に掲載されたものです。

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