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表紙の人

Vol.273

2015年1月19日

大畠 佑紀さん

Reginaa Pte. Ltd. CEO、創業者。 

asiax (5)幼い頃から器械体操に打ち込み、中学3年生で全日本選手権優勝、ナショナルチームにも所属した。勝ち続けることを課された環境で得たものは「本当に一生懸命やれば、大抵のことはできる」という自信だという。

筑波大学を卒業後、日本で就職。「いつかは海外へ」という夢を持ちながら、外資系モバイルマーケティング会社の起業などに携わった。しかし、2011年、東日本大震災で営業活動が一時ストップしたことを契機に、海外視察に出かけることに。シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアを渡り歩き、飛び込みと紹介だけで300人ほどのIT関連業界の人々を訪ね歩いた。日本は独自の携帯電話文化が発展し、モバイルマーケティング分野で世界に先行。勤務先で手掛けていたモバイルを使った販売促進事業などにも興味を持ってもらえ手ごたえを感じたという。さらに、出会った人々を招き、日本とアジア各国のモバイル関連ビジネスを繋ぐ大規模な商談会をシンガポールで開催、成功に導いた。
その後、起業のため2011年11月、単身来星。2013年12月には、モバイル端末へのクーポン配信などで、日本食レストランなどの店舗集客などを手掛ける「J Passport」運営を開始した。会員数は現在10万人に上り、クーポンの仕掛け1つでお店に行列ができるまでの存在に成長した。今年は、新たなプレミアム会員向けサービス開始を予定している。
社名は、ラテン語で「女王」を意味するreginaが由来。「すべて自分の思い通りにしたくて」と笑うが、当時とは心境に大きな変化があったという。かつては1人で道を切り拓く場面が多かったが、今はフィリピンの拠点と合わせ同社のチームも6人に増えた。コミュニケーション次第で社員の仕事の質が格段に上がる経験もした。「『私はアジアで一番になりたいの』って、いつも皆に話すんです。国境を越えたチームの皆と試行錯誤して、結果を出せた時が一番面白い瞬間ですね」。
多忙な生活の一方、アルビレックス新潟のチアダンススクールで講師も務める。「自分の得意なことを教え、子供たちと『できたー!』と喜ぶ。人と関わって、楽しんでもらえるってうれしい。仕事も同じ。ワクワクする、楽しさを届けたいですね」。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.273(2015年01月19日発行)」に掲載されたものです。

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