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Vol.277

2015年4月6日

髙橋 俊介さん

ケルビン・チア・パートナーシップ法律事務所・外国法弁護士。

AsiaX Vol.2772002年に早稲田大学法学部を卒業。司法試験に合格後、2007年に弁護士登録し、TMI総合法律事務所に入所。企業間訴訟などの紛争解決業務や一般企業法務を担当した。

しかし、元々は企業法務を希望していたわけではなかったという。「最初は刑事事件や個人間の民事事件を担当してみたいと考えていました。しかし就職活動中に事務所の先生方とお話しして、一緒に働きたいと思い入所を決めました」。この選択が、来星につながる分岐点となる。
法律事務所で約6年間の勤務の後、所属する事務所の研修制度を利用して2013年に南カリフォルニア大学ロースクール(USC Gould School of Law)に入学。「留学前までは英語が必要な案件は得意ではありませんでした。けれども海外に関する案件が増えてくるにつれ『このままでは将来、チャンスを逃してしまう』と思うようになりました」。以前は大企業が中心だった海外での企業買収や海外支社の設立が、地方の企業や中小企業にも波及しつつあった。
あえて苦手な英語の環境に身を置き、2014年に法学修士(LL.M.)を修了。引き続きケルビン・チア・パートナーシップ法律事務所に出向し、来星した。アメリカやイギリスなどで研修する弁護士も多い中、シンガポールを選択。企業法務に携わる弁護士として、これから日本とのビジネス拡大が予想される東南アジアの現場で、実務を経験しておきたいという思いがあった。
現在は、シンガポールで新規ビジネスを始める企業や来星後にサポートが必要な企業を相手に業務を行っている。随時10〜20の案件を抱えているが、休日は2児の父親として家族との時間を大切にしている。イーストコーストにある自宅近くの公園で、のんびりするのがお気に入りの過ごし方だ。
7月からは所属先のTMI総合法律事務所のシンガポールオフィスに移動して、引き続き東南アジア案件を中心に業務を行う予定。「今後も日本と東南アジアとのビジネスはますます活発化していくと思います。しかし、日本とシンガポールでは法制度そのものが違うため、現地の弁護士の言葉をそのまま訳して伝えるだけでは私たちが間に入る意味がない。日本の法制度とどこが違い、どういう点でトラブルになりやすいか。その違いを踏まえてサポートできる弁護士になりたいと思います」。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.277(2015年04月06日発行)」に掲載されたものです。

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