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Vol.293

2015年12月7日

金子 佳民さん

Boston Scientific Asia Pacific Pte Ltd. Manager, Legal, Asia Pacific, Middle East and Africa

Vol293_cover埼玉県出身。慶應義塾大学法学部卒業。大学時代は塾講師のアルバイトに没頭する日々を送っていたが、卒業旅行でタイのプーケットを訪れた際、海外を訪れる楽しさに開眼。卒業後は司法試験勉強をしながら、合間を見つけてはバックパッカーとして世界と日本を行き来する日々を送った。「色々な国の文化や風習を純粋に見てみたい、という気持ちがあります。いくら本やインターネットなどで調べても、自分で行ってみないとわからないので」と旺盛な知識欲を覗かせる。訪れた国は2015年10月現在で50ヵ国。印象的だったのは25歳の時に訪れたチベットで、景色の美しさはもちろん、政治と宗教の軋轢を肌で感じた経験は忘れがたいものがあるという。

 

当地では、患者の体への負担が少ないディスポーザブル製品(使用後に廃棄する製品)を中心とした医療機器の輸入販売を行うBoston Scientific Asia Pacific Pte Ltd.で法務・コンプライアンスに従事。アジア太平洋地域のみならず中東やアフリカまでも含めた広い地域を担当している。国ごとの法制度や商慣習が違うため苦労も多いが、そこは持ち前の知識欲を生かし、何事も「まずは納得するまで調べる」ことが信条。先進医療や既存治療法の充実など、仕事柄必要となる知識の習得にも余念がない。

 

また大の日本酒好きでもあり、当地でも友人たちを集めて日本酒会を定期的に開催。今年10月1日の日本酒の日には、70名規模のイベントを企画した。「料理と合い、なおかつ料理の味をふくらませるポテンシャルがあるのが日本酒。『吟醸や大吟醸がいい』という先入観や知識だけにとらわれず、自分が美味しいと思うものを楽しんでほしい」と語る。最近ではシンガポールのホーカー料理と純米酒の熱燗とのフュージョンを目指し、友人と日々研究に勤しんでいるという。「今後は我々のような消費者、提供する飲食店、運搬する運輸事業者、生産する蔵元の橋渡しをしたいです」。将来的には日本酒に関わる法整備などにも係わっていきたい、と日本酒と法の知識をフュージョンさせる夢もあるようだ。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.293(2015年12月7日発行)」に掲載されたものです。

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