シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP【第6回】円安トレンドの時に有効な資産運用方法とは?

シンガポールだからこそできる「お金の殖やし方」

2014年3月17日

【第6回】円安トレンドの時に有効な資産運用方法とは?

第5回のコラムでは、「全て円で資産を保有」していて「円安になるか円高になるかわからない」という人は一度、自身の資産を見直し、外貨資産を組み入れていきましょう、というお話をしました。
該当する人はぜひ真剣に外貨資産の組み入れを検討してみてくださいね。
さて、2013年は大きな円安トレンドとなり、80円台から105円台へと大きく円安に触れました。
今回は、前回の内容に関連して、円安トレンドのときに有効な資産運用方法についてお話したいと思います。
今回お話する内容も、「いずれ日本に戻って生活をする人」に大きく影響してきますので、該当する方はぜひ参考にしてみてください。

円安トレンドの時は、外貨投資が有利

円安トレンドの時は外貨投資が有利になってきます。
どういうことかと言うと、例えば、1ドル=80円のときに10,000ドル分の投資信託を80万円で購入したとします。
その購入した投資信託が1年後に10%値上がりして、11,000ドルになったとします。10,000ドルが11,000ドルになったわけですから、資産価値が10%増えていることになります。
為替が1ドル=80円のままであれば、11,000ドルは88万円となり、8万円の利益(利回り10%)となります。
このとき、もしも、円安によって、1ドル=100円になっていたとすると、11,000ドルは110万円となります。
元々は80万円で投資信託を購入したわけですから、利益は30万円となり、利回り37.5%ということになります。
これは、投資信託の値上がり益10%に、円安による為替利益が加わった結果であり、外貨投資を行う場合に、円安が運用利回りを後押ししたためです。
このように、円安によって外貨投資の利回りが上乗せされることになるわけです。

外貨投資の損失を、円安による為替利益がカバー

逆に、投資信託が値下がりしたケースも考えてみましょう。
購入した投資信託が5年後に10%値下がりして、9,000ドルになったとします。
10,000ドルが9,000ドルになったわけですから、資産価値が10%減っていることになります。
為替が1ドル=80円のままであれば、9,000ドルは72万円となり、8万円の損失(利回りマイナス10%)となります。
このとき、もしも、円安によって、1ドル=100円になっていたとすると、9,000ドルは90万円となります。
元々は80万円で投資信託を購入したわけですから、利益は10万円となり、利回り10%ということになります。
投資信託自体は10%のマイナス運用にもかかわらず、円安による為替利益のおかげで、利回り10%というトータル利益を生み出せたことになります。

このように、円安トレンドの場合には、為替利益が外貨投資の運用を押し上げたりカバーしてくれたりするため、「外貨投資が有利である」というわけです。
ただし、円高になった場合には、これらの逆のことが起こりますので、そのリスクもしっかり考えた上で外貨投資を行うようにしてくださいね。

次回(4月21日発行予定)は、「自己資金以外のお金を活用した投資術(レバレッジ投資術)についてお伝えします。

mikataaプロフィール

三方 麻琴(Mikata Makoto)

M&R Partners Pte. Ltd. Managing Director

– Official site: http://mikatamakoto.jp

– Official blog: http://mikatamakoto.jp/blog.html

– Official mail magazine: http://mikatamakoto.jp/mailmaga.html

※この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.253(2014年03月17日発行)」に書ききれなかった内容・補足をご紹介しています。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP【第6回】円安トレンドの時に有効な資産運用方法とは?