2015年3月16日
Q.「海外で病気に…健康保険は使える?」~「海外療養費」手続きで7割相当返還も~
健康保険は、日本国内の病院などであれば、保険証を提示することによって受診できる制度ですが、海外の病院では保険証を利用することができません。したがって、海外で病院にかかる場合には、病院でいったん治療費を全額支払い、その後健保組合に対し7割相当分を請求しなければなりません。この手続きを「海外療養費」といいます。手続きには、①海外療養費支給申請書、②診療内容明細書、③領収明細書、④領収書の原本、⑤渡航期間がわかるパスポートの写しが必要となります。まず、健保組合のウェブサイト等から①~③の書類を取り寄せ、そのうち②と③について病院から証明をもらいます。そして、②と③の日本語訳を別途付けてから、これら書類を健保組合に届出するという流れになります。
ただし、「海外療養費」は、日本国内で同じ病気を治療した場合にかかる治療費の7割相当分しか返還されないため、注意が必要です。海外の病院で実際に支払った治療費の7割分が返還されるわけではありません。したがって、返還される金額が、海外の病院で実際に支払った治療費と大きく異なることがあり、また、請求するタイミングによって為替の影響もあるので、あらかじめ社員本人にその旨を説明しておいた方がよいでしょう。
社労士大槻オフィスシンガポール
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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.276(2015年03月16日発行)」に掲載されたものです。