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2023年1月18日

EP新規申請におけるCOMPASS審査について

 シンガポール人材開発省(MOM)は、2023年9月以降、Employment Pass(EP)の新規申請にあたり、最低給与基準を満たすことに加えて、Complementarity Assessment Framework(COMPASS)を導入して評価する(更新申請については2024年9月から導入予定)。
 
 COMPASS導入の目的は、企業が「(Singaporean Coreに対して)補完力」の高い外国人を雇用し、労働者の多様性とSingaporean Coreを促進することに加え、EP交付可否の透明性を高め、企業が安定した人事を行うことができるようにするためとされている。
 

審査における評価基準

 COMPASSの審査では、新規のEP発給に当たって、申請企業及び新規にEPを取得する労働者が以下のC1~C6の6つの評価基準(C1~C4が基本要素、C5及びC6は加点要素)において評価され、トータルで40ポイント以上を獲得することが必要となる。各評価基準において獲得できるポイントは最大20ポイント(または10ポイント)。
 
 C1 給与(当該労働者の給与の同業種・年齢のPMET職における相対位置)
 C2 学歴(当該労働者の学歴、学位等取得機関)
 C3 多様性(申請企業における当該労働者と同じ国籍のPMET職の割合)
 C4 国内雇用への貢献(申請企業が雇用する現地PMET職の割合の同業種における相対位置)
 C5 技能ボーナス(不足職種リスト掲載職種の場合の加点)
 C6 国の経済戦略の重要目標達成に資する場合のボーナス(基準を満たす取組等に該当する場合の加点)
 

※詳細はMOMウェブサイトを参照

 申請者が①一定以上の給与を得る場合、②企業内転勤(ICT)の枠組みでEPを申請する場合、③1月以内の短期就労の場合、COMPASSによる審査は免除される。
 
 MOMはCOMPASSに関して、今後以下のツール等のリリースを予定している。
 ●2023年3月:学歴基準の詳細(C2関係)、不足職種リスト(C5関係)、国の経済戦略の重要目標達成に資する場合のボーナスの詳細(C6関係)
 ●2023年9月:Pre-Assessment Tool(PAT)
 

日本国大使館における支援

 在シンガポール日本国大使館は、在留邦人・企業の就労等環境の改善のため、ワークパスに関する疑問や事例等に回答しており、事例によっては解決の支援を受けることが可能である。
 
 (例)
 ・EPの申請をしているが、基準期間を大きく超過しても発行されない。
 ・外国人従業員は人数制限等の関係から採用できず、ローカルでの採用も応募がなく困難。
 
 問い合わせ先:在シンガポール日本国大使館( healthlabour@sn.mofa.go.jp
 

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