リモートアクセスVPNと拠点間VPNの違い｜特徴&メリットを解説

テレワークやリモートワークを導入する企業が増加したことに伴い、VPNの利用者も増加しています。VPNとは、「仮想プライベートネットワーク」の略で、インターネット上にユーザー専用の仮想プライベートネットワークを構築することで、安心・安全に通信できる技術のことです。
 
そんな、ニューノーマルな働き方には欠かせないVPNには、いくつか種類があるのをご存知ですか？
 
それぞれのVPNの特徴を知ることはもちろん、どのタイプが自分のニーズに最適なのかを理解できるように、この記事では詳しく説明していきます。
 

「VPNサービス」と「VPN技術」の違いとは？

多くの場合VPNは、ユーザーにサービスを提供するプロバイダーを指します。一言でVPNといっても、「VPN技術」と「VPNサービス」は大きく異なります。
 
簡単に言えば、VPN技術は、あなたのデバイスとエンドポイント間の安全でプライベートな接続を実現する技術そのものを指します。特定のVPNプロトコルを利用して、トラフィックを暗号化することで、通信内容やIPアドレスを隠してくれます。
 
一方、VPNサービスは、複数のタイプのVPN技術に加えて、VPNアプリや、カスタマーサポート、設定ガイドなどを含むパッケージのことを指します。つまり、VPNサービスは、インターネット接続の安全性を改善・強化するためのサービス全般と考えるといいでしょう。
 
VPN技術はいくつかありますが、ほとんどの場合、VPNサービスを介して利用したいVPN技術を切り替えることができます。優れたVPNプロバイダーは、数多くのVPNプロトコルと機能を提供しているため、ユーザーのニーズに応じて最適なタイプを選択することができます。
 

VPNの種類：リモートアクセスVPNと拠点間VPNの違い

VPNは、大きく「リモートアクセスVPN」と「拠点間VPN」の2つに分けられます。個人ユーザーは、リモートアクセスVPNを利用することが多く、大企業は通常、拠点間VPNを導入する傾向にあります。
 
ここからは、それぞれの種類の特徴について詳しく見ていきましょう。
 

リモートアクセスVPN

リモートアクセスVPNとは、簡単に言うと、ユーザーを安全なリモートサーバーに接続して、プライベートなネットワークにアクセスさせるVPNです。暗号化機能を搭載することで、セキュリティが損なわれないようにするという特徴があります。
 
個人向けVPNサービスの大半は、このリモートアクセスVPNの技術を利用しています。リモートアクセスVPNは、インターネットに繋がっていれば、どこからでも利用することができ、ローカルネットワークから送受信データを隠すことができます。その結果、プライバシーを保ちながらインターネットを閲覧したり、滞在エリアで制限されているネット上のコンテンツにアクセスしたり、ハッカーや悪意のある第三者からデータを保護したりすることができます。
 
リモートアクセスVPNの主なメリットは、設定が簡単という点と、アプリがユーザーフレンドリーで使いやすいという点です。リモートアクセスVPNは、適切なアプリさえ使用すれば、ITリテラシーが低い人でも簡単にアクセスできるため、個人での利用に最適です。しかし、大規模なビジネスでの導入に関しては、不向きな場合もあり、利用する前に十分検討する必要があります。
 

拠点間VPN

拠点間VPNは、様々な場所にいる複数のユーザーがお互いのリソースへのアクセスを可能にするという特徴を持つVPNです。
 
拠点間VPNを導入することで、各拠点のネットワークは常に接続された状態にすることができ、ハブに接続されたLANの延長線上にあるかのように、他の拠点のネットワークを利用することができます。拠点間VPNは、離れた場所にあるオフィスなどの拠点同士を繋ぐのに有効です。
 
拠点間VPNは、世界中の拠点間で安全な通信が必要となる、大規模なビジネス環境では一般的です。しかし、拠点間VPNを導入するためには、専用の機器と豊富なリソースが必要なため、簡単には導入することはできません。
 

自分のニーズにあったVPNを選ぼう

上記で説明したように、一口にVPNといってもさまざまな種類があり、気軽に使える基本的な機能を備えた格安のサービスから、専用の機器が必須の高度な技術まで、さまざまです。VPNに対するニーズを知った上で、どの種類のVPNを導入するかを決めるべきです。
 
カフェ、ホテル、空港などで公共のフリーWi-Fiに接続する際に、セキュアな通信を確立したい場合、セキュリティ面で強みのある個人向けのリモートアクセスVPNがお勧めです。
 
遠隔地からクラウド上のシステムやファイルサーバーにストレスなくアクセスしたい場合は、拠点間VPNを導入してみてはいかがでしょうか？