シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第2回 シンガポールで始めたいお金のこと

働く人のための資産運用講座

2019年4月22日

第2回 シンガポールで始めたいお金のこと

 ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。今回はシンガポールに来たらすぐに始めたいお金のことをお伝えします。

 

シンガポールにおける銀行口座の選び方

 まずは失敗しない銀行口座の選び方から。ローカルの銀行では顧客にメインバンクとして選んでもらおうと、サービス合戦が日夜くり広がられています。 ですから、給与振込口座に指定したり、光熱費などの請求を自動引き落としに設定することで得られる金利の上乗せのちょっとした違いでも大きいので見逃せません。

 

  例えば、UOB の「One Account」の場合、月額 S$500(約 41,000 円)以上の各種クレジットカードでの支払い、かつ一定額以上の給与振込に指定、もしくは3つ以上の GIRO(自動口座振替)を指定することで、最大3.88%の利息を得ることができます。ただし、残高に応じてもらえる利息は変わり、例えば、最初の S$15,000(約 123 万円)は1.85%、次の S$15,000は 2%、次の S$15,000 は 2.15%、次のS$15,000 は 2.3%、次の S$15,000 は3.88%、S$75,000(約 616 万円)以上に関しては 0.05%とややトリッキーです。銀行側の思惑も見え隠れしますが、平均的に2%前後の利息を得ることができます(預け入れ額にもよります)。

 

 OCBC の「360Account」や DBS の「POSB SAYE Account」でも同じように特定の条項に従うことによって利息の上乗せがあります。条件に合致しそうならぜひ検討してみてもよいでしょう。一度設定さえすれば、大きな元手も要らずに無リスクで高金利を獲得できるので我が家ももちろんやっています。

 

 仕組み預金など特殊な預金を除いて、預金の場合は基本的に元本が減ることはありません。また、シンガポールドル預金は、保険対象となる預金者1名につき総額 S$5万(約 410 万円)を上限として、預金保険機構(SDIC)により保護されます。

 

 口座を作る際には、家族とジョイントアカウントにする方が安心かもしれません。死亡など万一の際に口座が凍結された時、弁護士が必要になるケースがあるからです。また、小切手が利用できる口座(当座預金口座:Checking account)も普通口座(Savings account)と同時に作るなど、必要なものは最初から一気に申請した方が楽です。

 

シンガポールのクレジットカードは還元率がお得!

 それからシンガポールのクレジットカードも還元率が高いので要チェックです。例えば、UOBのワンカードは3ヶ月連続でS$2000(約16万4,200円)を使うと、S$300(約 24,630円)キャッシュバックで5%還元に。スタンダードチャータード銀行のアンリミテッドキャッシュバッククレジットカードは1.5%還元です。
 
 毎年の生命保険料の支払いなどもクレジットカードにできる場合も多いので、還元率のよいクレジットカードを何枚か選びたいものです。ただし、クレジットカードの申請には3ヵ月分の給与明細を提出するなどが必要です。審査も厳しいのでシンガポールに来て少し経ってから申請するほうがいいかもしれません。

 


花輪 陽子(Yoko Hanawa)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、(国家資格)CFP®認定者
 
『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』 (講談社+α新書)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」などテレビ出演や講演経験も多い。
HP:http://yokohanawa.com/
Twitter:@yokohanawa
『花輪陽子 シンガポール資産運用情報メールマガジン』を隔週金曜日で発行中!メルマガ登録はこちらから

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.344(2019年4月1日発行)」に掲載されたものです。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第2回 シンガポールで始めたいお金のこと