シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第4回 男女脳別モチベーションのアップ&ダウン

職場の人間関係に生かす、男女の脳の違いとは?

2017年12月28日

第4回 男女脳別モチベーションのアップ&ダウン

仕事内容にもよりますが、「細かい報告はいらない。責任は俺が取るから好きにしろ」という言葉は、女性脳に最高の能力を発揮させます。男性脳の方は、たとえ女性脳の提案が理解できなかったとしても、「たぶんお客様が評価してくれるだろう」くらいの気持ちで、まずは任せてみましょう。この良例がNTTのサービスです。相手の電話番号が表示されるナンバーディスプレイは、女性脳から提案されたものでした。しかし男性脳ばかりの企画会議で、「なんでそんなものが要るのか?」と却下されそうになりました。実現したのは、「まあ、そういうのもやってみたらどうか」と上席の後押しがあったからだそう。今ではこのサービスはなくてはならないものになっていますね。

 

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女性脳は、人の気持ちを察することが得意です。このため、お客様が喜ぶことは何かを察して柔軟にアイディアを出します。そのお客様になりきってよくよく考え抜いたアイディアなので、たいていは1つです。その1つの提案に、最初からダメ出しをすると、壊滅的にモチベーションを下げます。男性脳は、問題点をみつけて助言しているだけなのですが、女性脳は全否定されたと感じ、二度と提案しない、となってしまう場合もあります。これを避けるには、共感が必要です。いきなりのダメ出しや否定をしないで、まずは良いところを先に言ってから、問題点の助言をしましょう。女性脳には、共感がモチベーションアップに欠かせません。

 

※ここで言う「男性脳」「女性脳」は下記です。
男性脳:右左脳をつなぐ脳梁の連携をあまりしないタイプの脳のこと
女性脳:右左脳をつなぐ脳梁の連携が頻繁なタイプの脳のこと

326web_MsTezuka著者プロフィール
手塚 祐基
 (てづか ゆうき)

株式会社感性リサーチ 客員研究員 感性アナリスト、プロダクトデザイナー

1985年、東京芸術大学卒業後、時計製造会社で腕時計のデザインに携わる。2006年、「怪獣の名前はなぜガギグゲゴなのか」で知られる感性研究の第一人者、黒川伊保子氏の感性理論に出会い師事する。現在は感性研究の実績を生かし、製品開発やネーミングのコンサルティングおよび、ジェトロ岐阜やアジアエックス主催のシンガポール講演など、企業向け講演活動を行う。倉敷芸術科学大学非常勤講師。筑波大学感性認知脳科学専攻の研究セミナー、工学院大学情報デザイン課セミナー、東京大学大学院情報学環主催セミナーなどの講師も務める。著書に、共著『人は語感で いい・悪いを決める』(KAWADE夢文庫)。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.329(2018年1月1日発行)」に掲載されたものです。

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