シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第3回 男性脳のものの見方と、女性脳のものの見方

職場の人間関係に生かす、男女の脳の違いとは?

2017年12月18日

第3回 男性脳のものの見方と、女性脳のものの見方

商品陳列やスポーツから嘘ホント診断まで
男女の見え方の特性をいかしてみる

見ている位置の違いは、商品の陳列に活かせます。女性に買ってほしい商品は、女性の目につきやすいレジの前や、目から下の見渡せる位置へ。ワゴンにいろいろ入っているのも、その範囲なら見落とさず、選びやすいからです。男性向けには、レジの後ろの棚や、奥行きのある棚など。また新聞紙のような整然としたレイアウトならば、トップ記事はどこで、見出しはこの大きさ、などのように配置ルールが決まっていていると良いです。近くと中間、遠く、さらに遠く、をまばらに見ているので、全体の把握をするために、安定した定点やルールが必要です。

 

男性脳は、ものを見るとき、立体感、距離、配置、などを無意識に感じています。このため、赤ちゃんのころから、遠くにあるおもちゃまでの距離がどれくらいなのかに興味がいって、ハイハイして動き回るのです。大人になっても、ボールを遠くに飛ばすゴルフに興奮します。距離と配置も気になるので、会社の組織表や、人事などもこの空間を認識する男性脳には気になるところです。女性脳が、会社の組織の上下にかなり無頓着なのは、男性脳のようには気にならないからです。

 

次に、男女脳では、色の見え方も違っている場合があります。化粧品売り場の口紅の色が、なんであんなにたくさんあるのか理解できない男性脳は、多いものですよね。それは、男性脳の多くが色を赤、緑、青の3原色で感知していますが、女性脳の中には、4番目の原色、紫外線の波長を感知し、4原色で見る人たちがいるからです。全ての女性脳が4原色で見ているのではないそうですが、女性脳たちは、よく似た色の口紅も、間違えずに選んでいます。4原色見えると良いのは、木の実の熟れ具合や、人の顔色などを見分けることができること。健康な肌色や熱があるときの肌色など、微妙な色が女性脳には見えています。

 

奥さまの前でちょっとした嘘をつくとき、男性のほんのわずかな顔色の変化も女性脳は見逃してはくれません。怖いですね~。

 

※ここで言う「男性脳」「女性脳」は下記です。
男性脳:右左脳をつなぐ脳梁の連携をあまりしないタイプの脳のこと
女性脳:右左脳をつなぐ脳梁の連携が頻繁なタイプの脳のこと

326web_MsTezuka著者プロフィール
手塚 祐基
 (てづか ゆうき)

株式会社感性リサーチ 客員研究員 感性アナリスト、プロダクトデザイナー

1985年、東京芸術大学卒業後、時計製造会社で腕時計のデザインに携わる。2006年、「怪獣の名前はなぜガギグゲゴなのか」で知られる感性研究の第一人者、黒川伊保子氏の感性理論に出会い師事する。現在は感性研究の実績を生かし、製品開発やネーミングのコンサルティングおよび、ジェトロ岐阜やアジアエックス主催のシンガポール講演など、企業向け講演活動を行う。倉敷芸術科学大学非常勤講師。筑波大学感性認知脳科学専攻の研究セミナー、工学院大学情報デザイン課セミナー、東京大学大学院情報学環主催セミナーなどの講師も務める。著書に、共著『人は語感で いい・悪いを決める』(KAWADE夢文庫)。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.328(2017年12月1日発行)」に掲載されたものです。

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