Q.国民年金、任意加入のコスパは？～約10年で元が取れる計算～

現在の制度では、受給開始から約10年で元を取れる計算になります。国民年金は原則的に、日本に住所がある20歳以上の人が対象になるため、住民票を抜いて海外に居住している人は対象になりません。したがって、国民年金に加入したい場合はご自身で任意加入の手続きをする必要があります。

気になる任意加入のコストパフォーマンスですが、老齢基礎年金（国民年金）は20歳から60歳まで40年間（480月）全て納付した場合に年77万9,300円（2017年度）もらえます。逆に言えば77万9,300円÷480月を計算すれば、保険料を1ヵ月納めるごとに年額約1,623円増額されることがわかります。保険料は月1万6,490円（2017年度）ですので、1万6,490円÷1,623円≒10年となり、計算上は年金の受給開始から約10年以上経過（75歳以上まで生存）すれば元が取れる計算になるわけです。なお、保険料を前もって納めることでお得になる前納制度や、2年で元が取れる付加年金制度などもあるので併せて検討されてはいかがでしょうか。

ちなみに、任意加入の手続きは①日本で手続きや郵送物を受取る協力者を決める②協力者に年金事務所から「国民年金被保険者関係届書」を取り寄せてもらい、加入者本人が必要事項を記入する③協力者が上記書類と委任状を持参して、出国前の加入者本人の住民票住所地を管轄する年金事務所で手続きをすれば完了です。本人が郵送で直接手続きをすることも可能ですが、不備等があれば手間が掛かるので、家族などに協力を依頼するケースが多いようです。