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シンガポールで実践!英語プレゼン

2017年6月23日

成功する英語プレゼントークのコツ

~つなぎ表現とダイナミックな話し方で格段に印象が変わる~

前回の記事では、「成功する英語プレゼンの準備の仕方」について、各プロセス別に分解した上で、ひとつずつハードルを越えていこうという話をしました。今回は、本番で内容を引き立たたせるための「効果的な英語表現」と「話し方」の2点について解説します。

 

まずは英語表現です。残念ながら、日本人のプレゼンは分かりにくいとよく指摘されます。その理由を一言で言うと、論理の筋道や話の前後のつながりが不明確だから。意味の切れ目、特にスライドとスライドの間での「つなぎ言葉」が十分でないのが原因です。とは言っても、そういった言葉は英語ではとっさに出てきにくいものなので、いくつかストックを持っておくことが重要です。以下、パターンに分けてつなぎ表現をご紹介しましょう。

 

まずは、誰もが使いやすい比較的簡単な表現です。Now, let’s move on to the next topic(では次のテーマに移ります)。Let’s look at the next slide(次のスライドをご覧ください)などがあります。

 

続いては応用編で、次のパートを予告するフレーズを使います。I will tell you this by 3 points(3つのポイントを挙げて説明します)。There are 2 reasons for that. One is…(理由は2つあります。1つは……)。I would like to say the most important thing now(今から最も重要なポイントを申し上げます)など。予告をしたうえで内容(3つのポイントや2つの理由)について話せば、聞き手は格段に理解しやすくなるでしょう。

 

また、短めのサマリーを入れるのも効果的です。In a word,…(一言で言うと……)。To sum up here,…(まとめると……)などの表現をスライドの最後に入れ、一旦まとめた上で次のスライドに移るとロジックが伝わりやすくなります。

 

最後は、少し長い文章ですが、使用頻度の高い連結表現です。That was the whole picture. From now, I will mention the details one by one(以上が全体像です。今からひとつひとつ詳細を説明します)。こうしたつなぎ表現を、論理の流れに応じて使い分けることをお勧めします。

 

次は話し方です。聴衆に目線を配り、重要なポイントを強調して話すとインパクトがあり、ダイナミックなプレゼンになります。ただし、これは「言うは易し行うは難し」ですよね?そこで、少しでも楽にできる方法を紹介します。

 

まずはパワーポイントの資料に書いた内容と、話す内容を近づけることです。意外と多いのはその逆をしている人。スライドに映し出す資料は写真やイラストが中心で、話す原稿は手元に用意して読んでいる。これでは聴衆を見る余裕もありませんし、聞き手にとっても分かりにくいものです。スライドには話す内容を図解してみせ、それを見ながら読み上げるといいでしょう。

 

もう一つ、Tipsをご紹介します。例えば、スライド上にある文を読みながら説明するとします。文の前半はスライドを見て読み上げます。文の後半は覚え、その際に聴衆に向き直って語りかけるように話すのです。これは、以下のQRコードから実際にデモンストレーションしている映像をご覧いただいたほうが分かりやすいと思います。

 

最後のコツは「強調」です。作成したスライドを改めて眺め、重要だと思うキーワードを目立たせます。色を変えたり、下線を引いたり、文字を大きくするといいでしょう。その上で、本番ではその「強調ワード」を大きく、ゆっくり読みます。緊張して何を強調するかを忘れてしまっても、このやり方ならプレゼンの場面でその目立たせた箇所を見て思い出すことができます。

 

日本人が特に苦手な「つなぎ表現」と「話し方」。この2つを押さえることで、プレゼンの印象が大きく変わり、聴衆を引き込むことができるようになっていくでしょう。

 

本コラムの著者西野氏からのメッセージビデオはこちらから。

 

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プロフィール
320web_Nishinosan_130623_1西野 浩輝 マーキュリッチ株式会社 代表取締役 Chief trainer

米テンプル大 Executive MBA(経営学修士)、大阪大学大学院 工学科専攻修了。リクルート在籍中に部門初のMVPに2度輝くなど、トップ営業として活躍。その後、世界最大の教育コンサルティング企業アメリカン・マネジメント・アソシエーションにヘッドハンティングされ、4年半トップ営業であり続けた。2003年にプレゼンテーション専門のコンサルティングを行うマーキュリッチを創業し、10数年に渡って5万人近いビジネスパーソンを指導。一部上場企業の経営者から新人まで対象層は幅広く、顧客数は300社を超える。「プレゼン力はフィードバック力」のコンセプトのもと、受講者の分析力・フィードバック眼を鍛えることを通じて、短期のトレーニングで成果を実現する。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.323(2017年7月1日発行)」に掲載されたものです。

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