2015年3月30日
日本クオリティのアミューズメント施設をベトナム、カンボジアで展開
DREAM GAMES SINGAPORE PTE. LTD.
自動車や電化製品から、マンガやアニメ、そして和食を含む文化まで、あらゆる「日本」が海外の人々に受け入れられ、人気を博している。こうした日本のモノである「ハード」と、カルチャーすなわち「ソフト」が一体となったスポットといえるのが、ゲームセンターではないだろうか。日本のゲームセンターは外国人にも人気だ。Dream Games Singaporeは、東南アジアでジャパニーズ・クオリティのゲームセンターなどのアミューズメント施設の開発と運営を手がける。同社ダイレクターでCFOの小澤直道さんは、日本基準のアミューズメント施設の特長としてサービスとホスピタリティを挙げる。
「海外のゲームセンターは、単にゲーム機が置いてある場所。ゲーム機が故障していても放置されていることが珍しくありません。一方、日本のゲームセンターにはちゃんと接客し、ゲームの説明ができる従業員がいる。エンジニアを置き、ゲーム機のメンテナンスもきちんと行われています。また、ゲームのイベントを開催したり、ゲーム好きな人たちの交流の場を設けたりして、ゲームから広がる楽しみを発信しています」。
DreamGames社は現在、ベトナムとカンボジアに昨年オープンしたイオンモールでアミューズメント複合施設を運営している。
「昨年1月にオープンしたベトナム・ホーチミン市のイオンモール1号店にはゲームセンターとボウリング場、近郊のビンズオン省に昨年11月に開店したイオンモール2号店ではゲームセンター、ボウリング場、釣堀を置いています。カンボジア・プノンペンではゲームセンターとカラオケを運営しています。ベトナムの首都ハノイに今年10月にオープンするイオンモールにも出店予定です」。
言葉の壁がないエンターテインメント。新興国でスタンダードとなる
同社のアミューズメント施設は、若者と家族連れをターゲットとし、イオンモールの中でも非常に人気があるテナントとなっているという。
「ダンスゲーム機のメーカーから依頼されてイベントを行ったところ、大変盛況でした。現地の言語で書いた遊び方の説明書はありますが、基本的にゲームは言葉のいらないエンターテインメント。見てすぐ遊べる、子どもでもわかりやすいゲームが人気です。その点でいうと、日本のゲームは高度でやや難しいものが多いかもしれません。大人もメダルを集めて景品がもらえるゲームを楽しんでいます」。
当初はバンコクやシンガポールでの出店も検討したが、すでに多くのショッピングモールがあり、競争が激しいと思われたことから、ベトナムとカンボジアを選んだという。
「ベトナムやカンボジアはまだショッピングモールが少ないので、人が集中してにぎわうこと、そして自分たちがアミューズメント施設のスタンダードになれることが魅力でした。今後はさらに多様な日本のエンターテインメント、例えばネットカフェやスポーツ施設なども手がけていきたい。他国への展開も考えています。シンガポールに会社を設立したのは東南アジアの経済の中心地であることが一番の理由。また、当社の最大の目標、それはシンガポール取引所への上場です」。
会社プロフィール
2014年11月にDream Games Singapore Pte Ltd設立。東京にDream Games(Japan) Co., Ltd.およびベトナム、カンボジアにも子会社を置く。現在、東南アジア新興国のイオンモールでテナントとしてアミューズメント施設を運営する。今後は日系以外のショッピングモールへの参入もめざす。
DREAM GAMES SINGAPORE PTE. LTD.
80 Robison Road #10-01A Singapore 068898
TEL:8673-1827
取材後記
小澤さんは横浜出身で、慶應義塾大学経済学部を卒業後に銀行に就職。投資関係の業務に携わった経験を活かし、現在も会社のファイナンスおよび経営管理を担当している。
「エンターテインメント業界で長年経験があるほかの取締役とともに、それぞれの専門知識を活かして『TEAM DREAM GAMES』として活動しています」。
現在は月2回ベトナムとカンボジアに出張に出掛けるなど、多忙な日々を送る。「仕事が趣味みたいな感じになっていますね。時間があればローカルフードの食べ歩きを楽しんでいます」。
座右の銘はネバー・ギブアップ。「これまで何度もピンチに直面しましたが、粘り強く取り組むことで道が拓けました。これからも挑戦し続けたいと思っています」。