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新規進出企業レポート

2016年4月4日

オフィスデザイン通じ海外展開支援 増えるASEAN案件に対応

BUNSHODO SINGAPORE PTE. LTD.

シンガポールを含む東南アジアに展開する日本企業は多いが、オフィスを開設するために必要な業務は、登記手続きやITインフラの整備、机や椅子といったオフィス用品の調達など多岐にわたる。文化や商習慣の違う国で、もっとスムーズに拠点を開設できないか、こうした日本企業のニーズに応えるため、オフィス関連の総合商社である文祥堂はこのほど、シンガポール拠点としてBUNSHODO SINGAPORE PTE. LTD.を設立した。

 

1912年の創業後、帳簿の製造や事務用文具類の取り扱いからスタートし、事業を拡大してきた同社。近年では不動産選定やワインの輸入販売事業なども手がけている。

 

ここ1~2年の間に、日本のクライアント企業がASEAN諸国や台湾などで海外拠点を設立、または計画することが増えているという。そうした案件に対応するため、2014年ごろから海外視察を実施、昨年2月にASEANの拠点としてシンガポールで事業所を立ち上げることを決めた。

 

シンガポールでは当初、オフィスデザイン事業を核に、主に日系企業のASEAN進出を支援していく。複数のオフィス用品メーカーの製品を扱うマルチベンダーとしての強みを活かし、コンサルティングサービスを提供する方針だ。

 

 

シンガポールで支持されるオフィスデザインは?
試行錯誤重ねて追求

日本の本社では100周年記念事業として、森林資源保全への取り組みの一環として、オリジナル家具シリーズ「KINOWA」を展開している。国産の杉間伐材とスチールを使ったシンプルなデザインが高い評価を得ているという。同シリーズの照明器具「BEAM」はDesign for Asia Awards 2015で「プロダクト工業デザイン」部門の金賞を受賞した。

 

昨今ではオフィスデザインについて、よりクリエイティブでイノベイティブなものが求められるようになってきているという。こうした中、「スタイリッシュなデザインの本格的なエコロジー商材が、ASEAN諸国でどう受け入れられるか、その方法を探っていきたい」とシンガポール拠点の代表取締役である細渕岳氏は話す。日系企業だけでなく、今後はローカル企業へのアプローチも図る方針だ。

 

またシンガポールでは現地採用にも力を入れていく。現地での対応力強化はもちろん、当地で採用した人材に日本で働いてもらい、本社の活性化も促すことができるよう人材のローテーションを行いたい考えだ。

 

既にシンガポール、タイ、ベトナムからは新入社員やインターンを受け入れており、本社では英語や中国語に加え、タイ語、ベトナム語でマルチリンガルなプレゼンテーションができる。こうした体制は、日系企業だけでなく外資系企業からも好評だという。今後も幅広い国での人材獲得を通じて、国内外の案件への対応力を強化する方針だ。

 

会社プロフィール
オフィス関連の総合商社である文祥堂のシンガポール拠点として2015年に設立。ASEAN諸国などに進出する日本企業のオフィスデザインなどを手掛ける。

BUNSHODO SINGAPORE PTE. LTD.
80 Robinson Road #10-01A
Singapore 068898
Tel: 6420 6386
www.bunshodo.co.jp

取材後記

前職では旅行会社に勤務し、北米や欧州の案件を担当してきたという細渕氏、海外勤務は今回が初めて。バックパッカーとして海外旅行に出かけることも多かったという細渕氏、いわゆる「海外アレルギー」はないと語る。

座右の銘は「ご縁を大切に」。人と会うことが好きという細渕氏は、会う人からどんな言葉をもらうかで人生が変わり、会社も変わっていくと話す。

 

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