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新規進出企業レポート

2015年12月22日

家庭用・工業用「ガス警報器」メーカー 東南アジア市場を調査、開拓をめざす

新コスモス電機株式会社

日本における家庭用、工業用のガス警報器や携帯用のガス検知器のトップメーカー、新コスモス電機が2015年11月にシンガポール事務所を設立した。すでに台湾、韓国、上海、オランダに拠点を持つ同社だが、それらはビジネスパートナーとの協業や子会社化による拠点が主で、日本から本社の社員が赴任する形での海外拠点設立は、このシンガポール事務所が韓国に次いで2ヵ所目という。所長の田原 隆邦さんは、シンガポール事務所の役割を情報収集活動のための連絡事務所と説明する。

 

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「ガス警報器は非常にニッチな業界のため、リサーチ会社に市場調査を依頼しても正確なデータを得ることが難しいことがあります。東南アジアにおけるガス警報器市場のリサーチを考えた時、やはり自社での調査が必要であり、東南アジア全域をカバーするシンガポール事務所の設立へと至りました」。

 

ガスを使うあらゆる現場で活躍 センサも自社製造する強み

 

ガス漏れの危険を察知し、事故を防ぐ新コスモス電機のガス警報器が活躍するのは、住宅のほかガス会社、石油精製所、自動車、半導体、建材、塗料から飲料、パンなど食品の製造工場まで実に多岐に渡る。そして家庭用と業務用、両方のガス警報器のラインナップを擁するのは世界でも珍しく、同社の特長の1つとなっている。また、世界最大規模のガスセンサ研究機関を持ち、ガス検知のためのセンサを自社で開発、製造しているのも強みだ。
「ガス警報器のメーカーの中には、他社で製造されたセンサを使用しているケースもあります。この場合、センサと機器のマッチングに時間がかかる、お客様からのニーズに対応するのにセンサメーカーとのやり取りが必要になるといった課題があります。当社はセンサ開発から機器開発まですべて自社で行なっていますので、そうした点が強みになっていると思います 」。

 

日本では、万一に備えて家庭でもガス警報器が設置されることが多いが、シンガポールでは普及率は低い。
「シンガポールでは自宅で料理をしない家庭も多く、ガス警報器の必要性を感じないという声が聞かれます。また気候が年中温暖なため、日本の冬のように窓を締め切って室内の気密性が高くなることも少ないので、ガス漏れの危険性を感じないということもあるかもしれません。しかし、生活水準が上がるにつれて一般家庭でも冷房を最大限に効かせるために気密性の高い空間がつくりだされることも考えられます。そのような環境でガスを使用する場合はやはり事故のリスクも伴うので、保険の意味も込めてガス警報器の設置をすすめたいと思います」。

 

成熟した都市のシンガポールですらこのような状況の中で、ほかの東南アジアの国々におけるガス警報器への普及にはもっと時間がかかることも考えられる。

 

「ガス警報器には通常その国ごとの規制への対応が求められます。しかしシンガポールを含む東南アジアでは現在、規制がなく、欧米の競合メーカーが独自の基準で業務をしている。そんな中で当社は家庭ガス警報器の市場をつくるのが目標です」。

 

会社プロフィール

1960年に創業。家庭用、工業用のガス警報器、火災警報器、ニオイセンサ等製品の開発・製造・販売を手がける。本社は大阪市淀川区にあり、東日本支社(東京)、中部(名古屋)に支社、そして北海道から九州まで営業所のネットワークを持つ。
NEW COSMOS ELECTRIC CO.,LTD.
80 Robinson Road #10-01A Singapore 068898
Tel: 6420-6387

www.new-cosmos.co.jp

取材後記

東京都目黒区出身の田原さんですが、田舎暮らしのほうが好きなのだそうです。

「小学生の頃からスキーはまってしまい、学生時代はスキー場に住み込みでアルバイトをしていたほど。しかしモーグルやフリースタイルスキーで体を酷使し、じん帯や半月板を損傷してしまいました」。そしてもうスキーは長年していないとのことですが、代わりに始めたのが・・・・・・・「リハビリを兼ねてマラソンをしています」。

 

「音楽が好きで、特にパンクロックに突き動かされて仕事をしているときが多いです。つらくて負けそうになったときは音楽を聴いて励まされています。今年最も影響されたのは、パンクではないのですがくロックバンドFoo Fightersの『Learn to Fly』という曲の中の『Make my way back home When I learn to fly high』という歌詞。家に帰るのは、高く飛べるようになってから。シンガポールで飛び方を学びたいと思います」。

 

座右の銘は「一生懸命。何事も一生懸命」取り組まなければ、身に付かない、結果が出ないと考えて色々なことに取り組んでいます」。

 

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