ユーザー「アクティブ率」が高いオンラインメディア事業を展開

総会員数800万人以上、日本最大のネットポイントサービス提供企業、リアルワールドが2013年3月から本格的にシンガポールの事務所を稼動させた。

同社が手がけるオンラインメディアの一つに「広告のデパート」のようなウェブサイトがある。一般ユーザーがその広告を閲覧し、広告を見てオンラインショッピングをした場合や、クレジットカード会社の広告を見たユーザーが、情報を登録完了した場合など、ユーザーがさまざまなアクションをするごとにポイントが付く。そのポイントをためて買い物、あるいは現金化することもできる。

「ネットユーザーの数だけではなく、アクティブ率の高さが当社の強みです。日本ではポイントを現金化することもでき、募金や災害時の義援金、また途上国に小学校を建設するプロジェクトの資金として寄付するといった使い方もされています」とシンガポール事務所CEO／ディレクターの村松龍仁さん。

このネットポイントサービス提供事業とともに同社が力を入れているのが、クラウドソーシング。登録者30万人、作業件数は1,000万を超える。

「クラウドソーシングとは、いわば企業が用意した作業のオンラインのマーケットプレイス。ある企業がデータエントリー作業を依頼したとします。登録したユーザーがその作業を請けてエントリー作業を行い、完了した作業に応じて報酬としてポイントを得るという仕組みです。主婦の方が家事の空き時間を利用して、自分の都合にあわせて仕事をしていただけます」。

例えば大量のデータエントリー作業のために企業がアルバイト1人を2週間雇う業務量をこのクラウドソーシングで実施する場合、登録ユーザーがオンライン上で作業すれば2時間で終えることも可能で、人件費の大幅な削減や短期間での作業を完了させられる等の業務の効率化、さらに仕事の機会創出の社会インフラにもなりうるという。

インドネシアでネットの魅力を高める

リアルワールドでは現在、東南アジアにおけるネットポイントサービス提供事業とクラウドソーシング事業の主戦場をインドネシアとし、今年2月にネットポイントサービスのウェブサイトを開設。ウェブサイトには地元の有名デパートや世界的なファストフードチェーンなどが名前を連ねる。

「インドネシアではジャカルタに2012年8月、事業展開拠点を設立しました。シンガポールはアジア展開の統括ハブという位置付けですが、グローバル展開する企業と取引をする場合にはこの国に拠点を設置しているということで効率的に交渉することが可能となります。またインドネシアにある企業も実際の運用拠点や統括する本部はシンガポールにあったりすることも多く、この国に事務所があってよかったなと思いますね」。

インドネシア市場へ進出した理由は、人口が多く、平均年齢が28歳と非常に若いこと、今後ITに対する関心が伸びてくることが期待されるからという。

「日本や米国では最も閲覧者数が多いサイトのユニークユーザー数とネット人口がほぼ同じである一方、インドネシアはネット人口2,500万人に対してトップサイトのユニークユーザー数が1,500万人程度しかいません。これはインターネット閲覧にかかる費用だけの問題ではなく、コンテンツ自体の絶対量が少ないことも原因だと考えています。このような現状を踏まえて、当社ではウェブサイト上でのユーザーの動線を最適なものとし、快適な滞在をしていただくための様々な工夫を行い、ユーザーのネット滞在時間を長くするように魅力あるコンテンツをたくさん届けていきたい思います」。

村松さんによれば、オンライン・ポイントサービス事業は日本ならではのユニークサービスだという。

「海外で日本の強みやプレゼンスをもっと高めることに貢献したい。オンライン・ポイントサービスは広告主様の費用対効果を高めるだけでなく、それの一部をユーザーの皆様に還元していくことでデジタルコンテンツやオンラインショッピングの市場の拡大に大きく貢献していけると考えています。日本の強みの一つとして、東南アジアから様々な国に積極的に展開していきたいと思います」。