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嶋津良智の「リーダーにつける薬」

2012年6月4日

あえて負荷を掛けて「体」も「心」も鍛える

私はスポーツジムに通っていますが、そこから学んだエピソードを2回にわたってご紹介します。

 
一つ目は、「筋肉への負荷」と「心への負荷」の相関関係についてです。
あなたは筋肉を作るのに二つのやり方があるのをご存知ですか?私は筋肉の専門家ではないので、表現の仕方が多少間違っているかもしれませんが、一つは細い筋肉を作る方法と、もう一つは太い筋肉を作る方法です。

 
私はジムに通い始めて10年近くが経過していますが、歳の割にはそこそこの肉体は手に入れたものの、胸板や腕周りなど、どうもいまいち筋肉の厚みが増えないので、トレーナーの方に相談をしました。そうしたところ、「今の嶋津さんのやり方では引き締まった体にはなっても、筋肉の厚みが増すやり方ではない」と指摘を受けました。

 
筋肉の厚みを増すには、バーベルなど持ち上げるときに、回数は少なくても構わないので、負荷(重さ)を掛けることが大切だと教えてくれました。そして現在負荷を掛けて筋肉の厚みを増すトレーニングを続行中です。

 
この話を聞いたとき、自分自身の仕事や部下への指導と重ね合わせてしまいました。
私は無料小冊子「独立・起業から会社を上場(IPO)させるまでに私が学んだこと」 http://www.leaders.ac/booklet.phpの中で「心の筋肉を鍛えろ」ということを言っていますが、人間性を鍛えたり能力を鍛えるときに、中途半端な仕事の負荷よりも、折れてしまいそうになるくらい大変な困難や責任を負わされてやったときの方が心が鍛えられ、より大きな達成感や学びが得られます。

 
また、部下にもあえて高い負荷を掛けて仕事と向かい合わせたときの方が、部下も成長していた気がします。もちろん負荷の掛け方を間違えると、体が壊れてしまうように、能力以上の間違った負荷をかけ過ぎてしまうと、自分自身も部下も、そしてその関係も壊れてしまいかねません。ですから、耐えられるくらいの高い負荷を与えて、自らも鍛え、部下も鍛えることが、結局は本人のためにはなるのかもしれません。
そのこのさじ加減が俗に言う「仕事の与え方の上手い上司・下手な上司」の違いなのかもしれません。

 
次回はスポーツジムでの学びエピソードその2として「感情が行動に及ぼす影響」というテーマでお伝えをいたします。

文=嶋津良智(しまづよしのり)


株式会社リーダーズアカデミー
代表、シンガポール在住。
2度の株式上場体験を活かし、日本・シンガポールを始め、アジアを中心に経営コンサルとして活動。世界9ヵ国12都市でチャリティーセミナー実施。
最強の部下を育成し、最強の組織を作る、業績向上のための独自プログラム『上司学』が好評を博す。著書7冊執筆、韓国・台湾でも翻訳されている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.213(2012年06月04日発行)」に掲載されたものです。

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