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嶋津良智の「リーダーにつける薬」

2013年12月2日

準備が成果を変える

スポーツをされている方ならおわかりになると思いますが

  • 準備運動をまったくしないで激しい運動をしたときにどうなるか?
  • しっかり準備運動をしたときにどうなるか?

これは、おわかりの通りです。また、大きな大会などに目標設定をして、そこから逆算をし、いつまでに何をするのかなど、スポーツ選手は準備に余念がありません。もちろん、ビジネスでも一緒で、何か臨む成果を得たいと考えているとき、何の準備もしないで臨むのと入念に準備した上で臨むのとでは、成果に明らかな差が出ます。

 

極端な話、クライアントのところへ行ってプレゼンをするのに、何を話すか、話に使用するパワーポイントをどうするのかなど、準備をしっかり行ってやるのと、行ってから何とかすればいいやと考えてやるのとでは雲泥の差になるわけです。

 

私はよく「人生何とかなるもんだ」と言います。しかし、これには2種類の「何とかなる」があります。それは、「何とかしようと思って何とかなっているパターン」と「何もせずにただ何とかなっている質の悪いパターン」があります。前者を戦略的、後者を偶然と言います。

著書『だから、部下がついてこない!』の中でも書いていますが、私は、イエローライン戦略というものを説いています。これは、要するに「危機に備えて、前もって準備をしておきなさいよ」という手法です。
私生活でも「生命保険に入っていなかったがゆえに死んでから家族が迷惑する」とか、「火災保険に入っていなかったことによって、火事になった後大変な思いをする」など、準備不足が招く不幸は数限りがありません。

 

旅行はどうでしょうか。「夏休みに家族でハワイに行く」となったら、数ヵ月も前からいろいろと準備をしませんか?
高尾山に登るときと、富士山に登るときと、エベレストに登るときとでは、準備にかける人・物・金・情報がまったく違ってきます。何とかなると思ってエベレストへ登山に行ったらどうなるでしょうか?

昔から「備えあれば憂いなし」とはよく言ったものですね。

文=嶋津良智(しまづよしのり)


株式会社リーダーズアカデミー
代表、シンガポール在住。
2度の株式上場体験を活かし、日本・シンガポールを始め、アジアを中心に経営コンサルとして活動。世界9ヵ国12都市でチャリティーセミナー実施。
最強の部下を育成し、最強の組織を作る、業績向上のための独自プログラム『上司学』が好評を博す。著書7冊執筆、韓国・台湾でも翻訳されている。

 

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.247(2013年12月02日発行)」に掲載されたものです。

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