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ビジネス4賢者が送る、成功への道しるべ

2015年4月6日

感性トレンド編〈第5回〉「○○らしさ」「本質」〜時代の気分の見分け方

流行周期の感性トレンドで時代を見ると、2013年から複雑なものが好ましく思う28年間の後半に入りました。
そこから、3年目の2015年の人の感性は、人間愛に満ちているけれども、自分個人より、社会にとっていいものは何か?で動きたい傾向になってきました。
こんな気分のときは、地域のため、国のため、民族のためなど、その人の所属するコミュニティを守るため、反政府運動なども起きるでしょう。

一方で、新しい技術やスターが出てくる時期は続きます。男性タレントをみてみると、高倉健さん、菅原文太さんが亡くなって、ちょうど彼らが演じた任侠の時代の感じも戻ってきます。男らしい男の時代です。海外でも『007』の映画が始まるのが、複雑なものを好ましく思う28年間の後半14年でしたので、日本だけの流行ではなく、世界的に同じ傾向を示すと考えられるでしょう。
さて、男らしい男の時代が始まると、女らしい女の時代も始まります。「らしさ」や本質に関心が動くのですね。男らしいといっても、いろいろな男らしさが出てきます。ヒーローのような優しく強いのも男らしいですし、破天荒や自堕落なのも男らしいと感じて、そんな男性像に惹かれる時代です。植木等さんの『ニッポン無責任時代』のような陽気さも、男性ならではでしょうね。女性の皆さんにとっては、「俺についてこい」系の頼もしい男子も出てくる時代です♪
産業は、新技術、新サービスで、どんどん革新の方向です。国力が上がっていった56年前と、国力が下がっていく現在、真逆の状況ですが、気分的には私たちは、同じ感性の度合いにいます。世界が驚くような憧れを作っていきましょう!と、気分は盛り上がる方向です。
身の周りで、何か、こんなのがほしかったんだよね、ということが提案できたら、それが大ヒットになる、やりがいのある時期です♪

これからの時代のキーワードは、本質的、シンプル、適正、トップ、孤高です。本質的なものを求める気持ちが、「○○らしさ」を大事にするようになって、「○○らしい」ということに、好感度が上がります。気になる商品や、サービスが、これらのキーワードに合っているものかどうか、見分けてみてください。
参考までに、日本の56年前の1959年を振り返ってみましょう。この年は、皇太子ご成婚があり、お祝いムードが高まり、パレード沿道に50万人が集まりました。そして、このご成婚パレードは、テレビ普及のきっかけになりました。また、アジア人初のミス・ユニバースに児島明子さんが選ばれ、モデル志望の女性が増えました。
国産車が続々登場してマイカーブームが始まります。オートバイを爆音と共に乗り回す「カミナリ族」も現れます。地下鉄丸の内線が全線開通、少年サンデー、少年マガジンの創刊もありました。岩戸景気が始まる前の景気低迷期でありながら、繊維産業は人手不足でした。日米安保改定に反対する運動が起きてきます。

さて、上記のことに関連しそうなこと、現在に置き換えてみるとどんな事象が当てはまるかなどを考えてみてください。これからテレビに代わって、見るもので流行るものは何か?などと想像してみてくださいね。

tedzuka手塚 祐基(てづか ゆき)

株式会社感性リサーチ研究員、倉敷芸術科学大学芸術学部非常勤講師
21年間の腕時計デザイナーを経て、2006年より感性研究を開始。現在、ネーミングコンサルティングや企業向け講演活動を行う。筑波大学、工学院大学、東京大学大学院情報学環などのゲスト講師も務める。共著『人は語感でいい・悪いを決める』KAWADE夢文庫

ウェブサイト:ameblo.jp/tetsuka-kansei/

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.277(2015年04月06日発行)」に掲載されたものです。

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