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ビジネス4賢者が送る、成功への道しるべ

2014年10月20日

リーダーシップ編〈第2回〉事業成功のための4つの窓

「雇われない生き方」という言葉があるように、起業を考えていたり、今いる会社の中で新規事業を立ち上げていかなければいけなかったりなど、リーダーとして新しい事業の創造が必要な場面があると思います。そんな時に、ぜひ参考にしてほしいフレームワークがあります。

 

それは、起業や新規事業立上げを成功させるための「4つの窓」という話です。

 

1つ目の窓は『情熱の窓』です。

寝食忘れて没頭してしまうくらい情熱的に取り組める事業かどうかということです。新しい事業を始めると、シャワーのように次から次へと問題や困難が降り注いできます。俗にいう「やらされ感」でやっているような事業は、少し大きな壁がやってくると、すぐに突き飛ばされてしまいます。ですから、それを「何としても成し遂げる!」という強い意思で乗り越えて事業を成功させるためにも、この「情熱」を注げるビジネスかどうか、是非確認してください。

 

2つ目の窓は『経済の窓』です。

要するに、もうかる事業かどうかということです。いくらきれいごとを言っても、もうからなければ会社は潰れてしまいます。もちろん、すぐに収益には結びつかないことが分かっている戦略的赤字が発生する事業はありますが、これもいずれはもうかることが想定されているからです。戦略的赤字、要するに計画の中に盛り込まれている赤字ではなく、計画外の赤字が積もると、あっという間にビジネスが吹き飛びます。私が初めて起業した当時の経営者としての感想は「会社ってなんて儲からないんだ」でした(笑)。

 

3つ目の窓は『貢献の窓』です。

ビジネスはお客様あってこそ成り立つものです。本当に人の役に立つ事業か、どんな人達に、どう役に立つことができるのかをぜひ確認してみてください。私利私欲で起こしたようなビジネスの先は「破綻」です。利益はすべてお客様がもたらしてくれるものです。お客様が買ってくれなければお金も入ってこないわけですから、ビジネスの基本中の基本と言ってもいいでしょう。

 

最後の4つ目の窓が『NO.1の窓』です。

これは、もちろん事業を立ち上げたばかりであれば今すぐということではありませんが、いずれはNO.1になる領域を持つことができる事業かどうかということです。大きなことを言えば、世界一、日本一ということになりますが、そんな大きなことを言わずとも、県や市、町でNO.1とか、アフターサービスだけはどこにも負けない、接客態度だけはどこにも負けないなど、小さくても構わないので、いずれは「どこにも負けない」といえる領域を作れる事業かどうかを確認してください。

 

図式化して説明できないのは残念ですが、この事業成功の4つの窓ができるだけ多く重なっている事業を選ぶと成功する確率が上がるということです。

 

shimadzu嶋津 良智(しまづ よしのり)

一般社団法人日本リーダーズ学会代表理事、リーダーズアカデミー学長。2度の株式上場を経験、日本・シンガポールなどアジアを中心に経営コンサルとして活動。世界14都市でチャリティービジネスセミナーも開催。最強の部下を育成し、最強の組織を作ることで業績向上に寄与する独自プログラム『上司学』が好評を博す。著書累計は100万部超。韓国・中国・台湾でも翻訳されている。

リーダーズアカデミーウェブサイト:www.leaders.ac

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.267(2014年10月20日発行)」に掲載されたものです。

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