2009年2月16日
『チャイルド44』トム・ロブ・スミス
失敗したかな?冒頭の数頁を読み終えた時点での感想は、それだった。いきなり猟奇的な場面が出てきて、読むのを止めようかと思ったが、途中から読むのを止めることができなくなり、結局一日で読み終えてしまった。久しぶりに面白くて、読み応えのある本に出会ったことに感謝。
紀伊國屋書店のカード会員向けにnewsletterを毎月無料でメール配信しているが、11月号の特集で取り上げられたのが本書。特集を読んで気にはなっていたのだが、何となく買うタイミングを逸していた。ところが、12月に文庫で日本語版が出ていたのに気付いて衝動買い。
先日、『このミステリーがすごい!2009年版』(宝島社)を立ち読みしたら、本書が海外部門で1位を獲得していた。これには異論を挟む余地はない。ミステリーとして読まずに、スターリン体制下のソヴィエト連邦で現実にあったであろう恐怖を味わうのもまた一興。
新潮社
協力=シンガポール紀伊國屋書店
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.139(2009年02月16日発行)」に掲載されたものです。
文=シンガポール紀伊國屋書店 茂見