2026年10月16日
シンガポール、ヘイズ原因企業への法的措置を検討 環境相が表明
シンガポールのグレース・フー持続可能性・環境相は10月14日、インドネシアの森林火災に伴うヘイズ(煙害)について、原因企業への法的措置を視野に入れ、関連データを収集・分析していると明らかにした。越境煙害法に基づく対応の可能性を排除せず、今後慎重に判断する方針である。
フー環境相は同日、ユーファ選挙区で実施されたN95マスクの配布活動に参加し、記者団の質問に答えた。現在、煙害に関するデータを収集しており、分析結果を踏まえて取り得る措置を検討すると説明した。
シンガポールでは9月4日以降、ヘイズによって大気汚染指数(PSI)が「不健康」水準となる事態が繰り返し発生している。14日午後9時には西部地域の24時間PSIが203に達し、今回のヘイズで初めて「非常に不健康」とされる201以上を記録した。
2014年に制定された越境煙害法は、国外で発生した森林火災などによってシンガポールの大気が汚染された場合、原因となった企業などに法的責任を問うことを可能にする法律である。
同法では、国内のいずれかの地域で24時間PSIが101以上の状態となることなどが適用判断の要件となる。違反が認定された企業には、1日当たり最大10万Sドル、総額最大200万Sドルの罰金が科される可能性がある。
当局は衛星画像や風向・風速、気象情報などを分析し、森林火災と国内の大気汚染との関連性を調査する。今回の煙害では、すでに同法の適用基準に達した事例が複数確認されている。
一方、フー環境相はインドネシアへの支援姿勢も改めて表明した。エルニーニョ現象による高温・乾燥が消火活動を難しくしていると理解を示し、必要に応じて支援を提供する用意があると述べた。
シンガポール政府はインドネシア側に協力を申し出ているが、具体的な支援内容について新たな進展はないという。今後は東南アジア諸国連合(ASEAN)の枠組みでも対策を協議する方針である。
政府は同日、健康への影響を受けやすい住民を対象としたN95マスクの配布も開始した。ヘイズの長期化を受け、健康対策と原因企業への責任追及を並行して進める構えである。

