2026年9月15日
RTS開通でJBの買い物客増加へ シンガポール人流入で食品値上がり懸念も
2027年1月に開通予定のシンガポール―ジョホールバル(JB)間の高速輸送システム「RTS Link」を巡り、JBの食品小売市場ではシンガポールからの買い物客増加への期待が高まる一方、需要拡大による価格上昇を懸念する声も出ている。
Johor Bumiputera Consumer AssociationのSyed Abdullah Syed Mohamed会長は、シンガポール人による食料品購入が増えれば、ハイパーマーケットやスーパーマーケット、ウェットマーケット、ファーマーズマーケットなど幅広い業態に恩恵が及ぶと指摘。需要増加により雇用や店舗、商品の選択肢が増える可能性があるとした。
一方、シンガポール人の購買力を背景に需要が急増すれば、地元住民が購入する食品価格まで押し上げる可能性がある。同会長は、単純な価格競争ではなく、マレーシア産食品や地域独自の食文化をアピールし、持続可能な形で観光・消費需要を取り込むべきだとしている。
NUS(シンガポール国立大学)のSerina Rahman博士は、多くのシンガポール人はJBの小規模店舗で大量に食料品を購入するわけではないため、価格への影響は管理可能との見方を示した。ただし、JB中心部やコーズウェイ周辺では、すでにシンガポール人を主な顧客とする飲食店で価格が高くなる傾向もみられるという。
シンガポール・ビジネス連盟(SBF)が7月に発表した調査では、RTS開通後、シンガポール人によるJBでの年間支出は新たに約10億5,000万Sドル増えると予測。中でも食料品が最大の支出項目になるとみられている。
RTS Linkによる移動時間の大幅短縮はJB経済に追い風となる一方、地元住民の生活コストへの影響にも注目が集まりそうだ。


