2026年9月10日
リンギ、対シンガポールドルで10カ月ぶり安値 1Sドル=3.2162リンギ
マレーシア・リンギが9月9日、対シンガポールドルで10ヵ月ぶりの安値を付けた。1Sドル=3.2162リンギまで下落し、昨年11月以来の安値となった。マレーシア株からの海外資金流出が続く一方、シンガポールドルが金融政策への期待から買われていることが背景にある。
リンギは同日、シンガポールドルに対して0.2%下落した。海外投資家は9月に入ってからマレーシア株を約1億2,200万USドル売り越しており、8月の約4億8,600万USドルに続き、2ヵ月連続で資金流出が続いている。
一方、シンガポールドルには上昇圧力がかかっている。シンガポール金融管理局(MAS)は7月の金融政策見直しで、通貨バスケットに対するシンガポールドルの上昇ペースを2会合連続で引き上げた。市場では10月の会合でさらに引き締め方向の調整が行われるとの期待もあり、地政学的な不透明感を背景とした安全資産需要もシンガポールドルを支えている。
マレーシアでは財政面への懸念もリンギの重しとなっている。エネルギー価格が高止まりする中、アンワル首相が燃料補助金枠を復活させたことで、政府財政への影響を市場が注視している。政府は10月9日に2027年度予算案を発表する予定で、その内容も今後の為替相場を左右しそうだ。
リンギは今年3月には1Sドル=3.0615リンギと約5年ぶりの高値を付けていたが、その後は反落。シンガポールとマレーシアは貿易や人的往来が非常に活発なだけに、リンギ安が越境消費や旅行、企業活動に与える影響にも注目が集まる。

