2026年8月12日
シンガポール、資源なき小国から世界有数の先進国へ 建国61年の歩み
天然資源に乏しい小さな島国シンガポールが、独立から約60年で世界有数の豊かな国へと成長した背景について、海外メディア「The Independent News」が分析記事を掲載した。長期的な国家計画や教育への投資、汚職対策、インフラ整備などを成功の要因として挙げる一方、厳格な法律や政府の強い関与を巡る議論にも触れている。
シンガポールは1965年8月9日にマレーシアから分離・独立。当時は天然資源がなく、高い失業率や住宅不足など多くの問題を抱えていた。政府は地理的優位性と人材を最大の資源と位置付け、経済開発庁(EDB)を中心に外国企業を積極的に誘致。製造業から金融、物流、航空、バイオテクノロジー、デジタルサービスへと産業を多角化した。
住宅政策も国家発展を支えた。住宅開発庁(HDB)が公共住宅を大量に供給し、CPFを活用した住宅取得を推進。民族統合政策によって特定地域への民族集中を防ぎ、多民族社会の安定にも住宅政策を活用してきた。
資源不足を技術で克服した代表例が水政策である。マレーシアからの輸入水だけに依存せず、貯水池、海水淡水化、高度処理した再生水「NEWater」を組み合わせた「Four National Taps」を構築し、水供給源の多様化を進めた。
教育や職業訓練への継続的な投資、厳格な汚職対策、効率的な行政、公共交通や都市緑化なども国際競争力を高めた要因とされる。一方、表現や集会の自由、死刑制度、国内治安法などを巡っては国外から批判もあり、経済発展と政治的自由のバランスについて議論が続いている。
同記事は、シンガポールの成功は単純に他国が模倣できるものではないと指摘。その上で、長期的な政策立案、人材への投資、強い行政機関、汚職対策、社会的結束などは、資源に恵まれない国が発展する上で重要な教訓になると評価している。


