2026年7月9日
富裕層にとって世界一高コストの都市 シンガポールが4年連続首位
シンガポールが、富裕層にとって世界で最も生活コストの高い都市として4年連続で首位に選ばれた。スイスの資産運用銀行ジュリアス・ベア(Julius Baer)が公表した「グローバル・ウェルス&ライフスタイル・レポート2026」によるもので、政治・経済の安定性や資産保全のしやすさが高く評価される一方、高級不動産や自動車などの価格の高さがランキングを押し上げた。
同レポートは、世界25都市を対象に、高級住宅、自動車、医療、教育、旅行、腕時計など20項目の高級財・サービスの価格を比較している。シンガポールは、高級住宅価格と自動車価格が世界最高水準にあることに加え、シンガポールドル高も影響し、総合ランキングで首位を維持した。2位はチューリヒ、3位はモナコ、4位は香港、5位はロンドンとなっている。
ジュリアス・ベアは、シンガポールが富裕層から選ばれる理由について、「政治的・経済的な安定性」「法制度への信頼」「安全性」「国際的な金融センターとしての機能」を挙げている。不確実性が高まる世界情勢の中で、資産を長期的に保全できる拠点としての魅力が一層高まっているという。
一方で、このランキングは一般家庭の生活費を示すものではないが、住宅価格や自動車価格の高騰は市民生活にも影響を及ぼしている。近年は生活費上昇や住宅取得の負担増を背景に、政府は住宅供給の拡大や生活支援策を進めているものの、物価高への関心は依然として高い。
シンガポールでは富裕層やファミリーオフィスの流入が続き、資産運用業も成長を続けている。一方で、経済成長の恩恵がどこまで一般市民に行き渡るのか、所得格差や生活費負担への関心も高まっている。今回のランキングは、シンガポールが世界有数の資産保全拠点としての地位を維持していることを示す一方、「暮らしやすさ」と「生活コスト」のバランスをどう取るかという課題も改めて浮き彫りにする結果となった。

