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政治

2026年6月26日

HDB全住棟から500m圏内にATM設置へ 2027年末までに現金利用環境を拡充

 シンガポール政府は、2027年末までに全国すべてのHDB(公営住宅)住棟から500m以内に、ATMや現金引き出しサービス、銀行支店のいずれかを利用できる環境を整備すると発表した。高齢化の進展や現金利用者への配慮を目的とした取り組みであり、金融サービスへのアクセス向上を目指す。
 
 近年、シンガポールではキャッシュレス決済の普及が急速に進んでいる一方、高齢者を中心に現金を利用する人も依然として多い。しかし、銀行支店の統廃合やATMの再配置により、一部地域では現金を引き出すために長距離を移動しなければならないケースが課題となっていた。
 
 今回の計画では、銀行ATMだけでなく、小売店などで現金を引き出せる「キャッシュポイント」や銀行支店も対象に含め、すべてのHDB住棟から徒歩約500m以内で現金サービスを利用できる体制を構築する。銀行各社と政府機関が連携し、サービス空白地域を解消していく方針である。
 
 当局は、デジタル決済への移行を推進しながらも、現金を必要とする住民を取り残さないことが重要だと説明している。特に高齢者やデジタル機器の利用に不慣れな人々にとって、現金へのアクセスを確保することは生活インフラの一部であるとの考えを示した。
 
 金融業界では近年、オンラインバンキングやモバイル決済の利用拡大に伴い、銀行店舗の効率化が進んでいる。しかし政府は、利便性だけでなく金融包摂(ファイナンシャル・インクルージョン)の観点から、誰もが必要な金融サービスを利用できる環境を維持する方針を打ち出している。
 
 今回の取り組みは、急速なデジタル化が進むシンガポールにおいても、すべての世代が安心して金融サービスを利用できる環境づくりを進める施策として注目されている。

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