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政治

2026年6月24日

海面上昇最大2.15m想定 シンガポールが沿岸防護指針を義務化

 シンガポール政府は、気候変動による海面上昇への対応を強化するため、新たな沿岸防護ガイドラインを導入した。今後、沿岸部の土地所有者や開発事業者は、防潮対策を考慮した設計・開発を行うことが義務付けられる。
 
 新ガイドラインでは、2100年までに海面が最大2.15m上昇する可能性を想定している。これは政府が採用する最も厳しい気候変動シナリオに基づくものであり、将来的な高潮や異常気象による浸水リスクへの備えを目的としている。
 
 対象となるのは海岸線付近の新規開発や大規模再開発プロジェクトで、開発事業者は敷地の高さの引き上げや防潮壁の設置、排水能力の強化など、必要な防災措置を計画段階から組み込まなければならない。
 
 シンガポールは国土の大部分が低地に位置しており、気候変動による海面上昇の影響を受けやすい国の一つとされる。特に東海岸、ジュロン島、チャンギ地区、トゥアス地区などの沿岸地域では、長期的な防護対策が重要な課題となっている。
 
 政府はこれまでにも海岸保護や排水インフラ整備に多額の投資を行っており、リー・シェンロン前首相は過去に「今世紀中に1,000億Sドル規模の対策費用が必要になる可能性がある」と述べている。
 
 専門家は、今回のガイドライン導入によって将来の浸水被害リスクを軽減できると評価する一方、防護コストの増加が不動産開発費や建設費に影響を与える可能性も指摘している。
 
 近年、世界各地で異常気象や海面上昇への懸念が高まる中、シンガポールは国家レベルでの気候変動適応策を積極的に進めている。今回の義務化は、将来世代に向けた長期的な国土保全戦略の一環として位置付けられている。
 
 気候変動の影響が現実味を増す中、シンガポールはインフラ整備と都市計画を通じて、海面上昇への備えを本格化させている。

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